GPファイナル初出場、初優勝の三原舞依。コーチの言葉に発奮も「本当に実現できるとは思っていなかった」 (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • photo by Reuters/AFLO

【「かおちゃんが頑張ってくれているので...」】

『戦場のメリークリスマス』をSP曲にしたのは、23年間の人生や苦しい競技生活を振り返り、これまで経験したことを曲に乗せて表現できるからだという。そのSPでは、冒頭の2回転アクセル、3回転フリップ、ルッツ+トーループの連続3回転ジャンプを完璧に跳び、ステップと3つのスピンはすべてレベル4を獲得するなど、すべての要素で出来栄え(GOE)加点がついたノーミスの演技を披露。自己ベストを更新する74.58点をマークして2位発進となった。

「最終滑走ということもあって、すごく緊張していたんですけど、自分の頭の中ではひとつひとつ意識して滑りたいことを考えながら、最初の音から自分の人生を振り返りながら滑ることができて、たくさんのお客さんが見てくださっているなということを考えながら滑りました。この舞台に初めて来られたことがまず何よりも幸せなことで、スケートができていることが幸せなことで、本当にそれを噛みしめながら滑ることができたかなと思います」

 SPでは首位の坂本にわずか1.28点差の2位。表彰台のチャンスが見えたフリーを迎えて、勝負への意欲を隠さなかった。

「(坂本と一緒に)表彰台に乗りたいという気持ちはすごく強いです。かおちゃん(坂本)がずっと頑張ってくれているので、自分がもっと頑張りたいなと思うことがたくさんありました。今回の舞台を幸せだなと感じながら、自分のできることをしっかり全部出しきれたらいいなと思っています」

 そして迎えたフリー。『恋は魔術師』の曲に乗った演技は、プログラム前半の2回転アクセル、ルッツ+トーループの連続3回転ジャンプを次々と華麗に跳んでみせた。基礎点が1.1倍となる後半に2本の連続ジャンプを組み込み、レベル4と判定された終盤のステップとスピンで見る者を引き込んだ。最後の3回転ループは右足に疲れが出ていたことが響いて2回転となり、着氷で両手をついて転倒したが、フィニッシュポーズまで力強く滑りきった。

 フリーで133.59点を出して、合計208.17点をマークして暫定首位に。最終滑走者の坂本がジャンプミスを連発して得点を伸ばすことができなかったため、三原がそのまま初タイトルを獲得した。

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