ロシア女子は年齢制限引き上げでどうなるのか。フィギュアスケート国際審判員に聞く (4ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直/JMPA●撮影 photo by Noto Sunao/JMPA

 ロシアの女子は、ジャンプが跳べるから点数が出て勝てているという要素はもちろんありますが、ジャンプの数だけの問題というよりは、プログラム作りの問題で、日本をはじめとするライバル国は負けていたようなところもあるんです。その時のルールを最大限生かした、あざといとも言えるプログラム作りが功を奏していたように思います。「文句ないでしょ、これで」というプログラムです。

 ルール変更を経て、ミラノ・コルティナダンペツォ五輪に向けた戦いが始まりますが、技術的な難しさと表現のバランスがどうなっていくのかが見どころです。

 男子のほうは、やはり4回転を何本入れるのかで勝負が決まるようなところがありますが、もともとフィギュアスケートは、技術が先行する時代と表現力が重視される時代が、振り子のように行ったり来たりしながら進化してきました。今は技術が上にあるので、もうじきちょっと振り戻しがあるかなという感じが見えてきています。

 今回のルールの変更で、女子のほうは技術偏重から表現重視へと向かう流れが出やすくはなっていくかもしれません。
(つづく)

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