村元哉中&髙橋大輔、来季については明言せず。「続きを見たい」との問いかけに髙橋「言葉は受け入れました(笑)」 (2ページ目)
リズムダンス(RD)、かなだいは『ソーラン節&琴』で世界を魅了した。漁師の生命力や海の雄大さにヒップホップの異国的律動が重なった。プログラムについて「派手さだけじゃない奥ゆかしさを」と髙橋は説明し、「日本人の表に出さない秘めた思いを」と村元は語ったが、それを見事に体現していた。プログラムコンポーネンツだけで言えば12位で、スケーティングの見事さを示したと言える。
もっとも、日本の歴代最高得点を記録したNHK杯、ワルシャワ杯の時と比べると取りこぼしがあり、点数そのものは伸びなかった。
「(前半の)演技がよかっただけに、決めなきゃという気持ちが出すぎて」
髙橋はそう言って唇をかんだが、ふたつ目のツイズルがほどけた。
「ツイズルはメンタリティのところが大きくて。2個目のツイズルは(練習でも)ハマったりハマらなかったりを繰り返し、知らず知らずに不安要素になっていました。毎日、同じようにできていないところだったので。会場に入って、(調子は)悪くはなかったんですが、これが世界選手権なんだなって」
RDは67.77点で15位だった。下を向くような得点ではない。フリーダンス(FD)に進出できたことは、日本選手の過去の成績と比較しても確実な収穫だ。
そして3月26日、かなだいはFDで2年目となる『ラ・バヤデール』で、その世界観を再び表現している。バレエ作品曲だけに、それぞれ手の動きからフリーレッグまで優雅で、陶然とさせる調和があった。
特に海外でふたりの演技に対する評価が高いのは、エッジが深く、体の傾斜で角度をつけ、指先まで神経を通わせた調和にある。写真になった時にわかりやすいが、一枚の絵として美しい。音が鳴って、動き出しそうな躍動感だ。
しかし、カップル2年目と経験の差はあって、技術面の再現性では苦労した。例えば、ローテーショナルリフトはレベルが取れなかった。なかなかGOE(出来ばえ点)を稼げず、得点は96.48点にとどまっている。
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