三原舞依、五輪代表逃す。ジャンプミスの原因は「アクセル前でフェンスに寄ってしまった」 (2ページ目)
【「4年に一度」の重圧】
今シーズンのグランプリ(GP)シリーズは2週連戦(スケートカナダ、イタリア杯)というハードスケジュールのなか、表彰台こそ逃したものの、ともに4位で210.01点、214.05点と自己ベストを連発する安定した結果を残していた。紀平梨花(トヨタ自動車)の大会前日の欠場発表で北京五輪代表3枠争いは混沌としていた今大会、出場選手の今季の得点を見てみれば、三原はNHK杯で優勝した坂本花織(シスメックス)に次ぐ2番手。表彰台と代表入りの可能性は十分にあった。
12月23日のショートプログラム(SP)は5位ながらもノーミスで自己最高の73.66点での発進でチャンスはあった。2位の樋口新葉(明治大/ノエビア)には1点差で、3位の河辺愛菜(木下アカデミー)には0.61点差だった。三原はGPシリーズのスケートカナダとイタリア杯でフリーはともにノーミスで、142.12点と144.49点を出していて、これまでの安定感を見れば今大会もノーミスは確実だと思われ、合計点は215点オーバーに持っていくのではないかと考えられた。
だが、五輪代表選考会という4年に一度の大舞台の重圧は、予想以上に大きかった。本拠地の神戸で取り組んでいた練習ではフリーはずっとノーミスの滑りができていたが、埼玉入りしてから納得いく滑りができなくなっていたと言う。
「今日(12月25日)も朝の公式練習が終わってから体をほぐしてもらいましたが、ちょっと重さを感じていた。緊張もあり、試合前の6分間練習ではぜんぜん動けなかった。足も震えていて力も弱かった。悔しい部分がたくさんありました」
こうした状態であったにもかかわらず、演技前半は彼女の持ち味である力みのないきれいなジャンプを決める、流れのある滑りだった。スピンやステップもすべてレベル4のしなやかな演技を見せた。ミスは2本のジャンプだけだっただけに、余計に惜しさの残る結果だった。
結果は、SP1位の坂本花織がフリーでも重厚感のある滑りをして合計234.06点で優勝し、2位はミスを最小限に抑えて221.78点とした樋口。3位にはSPに続いてトリプルアクセルを成功させて209.65点を出した河辺が入った。SP4位の宮原知子(木下グループ)を0.35点差で抑えた三原は、206.86点で4位という結果。代表入りを逃した。
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