羽生結弦が仲間からもらった「光」。あらためて発見した滑り続ける意味 (4ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 高橋 学●写真 photo by Takahashi Manabu

 4回転アクセルを練習していたのは『天と地と』の出だしからのコース。最初に入れていた4回転ループのところに4回転アクセルを組み込む構想だ。それは、来シーズンへ向けての決意表明でもあった。

 エキシビションでは、『花は咲く』を感情を込めて演じた羽生。アンコールでは『レット・ミー・エンターテイン・ユー』のステップシークエンスからの最後のパートを滑った。鋭い動きのステップの中だけではなく、最後のコンビネーションスピンでも観客にアピールする手の動きを入れた。彼が目指している「観客とコネクトして、少しでも明るい気持ちになってもらいたい」と願う滑りでもあった。

 4年前の国別対抗戦エキシビションのアンコールでは、同じように当時のSP曲『レッツ・ゴー・クレイジー』で、ステップシークエンスからのパートを力いっぱい滑り、「あそこでやっと、やりたかったステップの滑りができたと納得できた」と話していた。今回の彼の表情にも、あの時と同じような満足感が表われていた。

 葛藤が多かったシーズン、羽生は納得の滑りで終えた。

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