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羽生結弦の最大の目標は「北京五輪ではなく、4回転アクセルの成功」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 田口有史●撮影 photo by Taguchi Yukihito

 今後の練習拠点の決定についても、4回転アクセルの練習の進捗が影響してくると見込んでいる。今季、春からひとりで練習を続けてきたことで、あらためてわかった利点も多かったという。複数人数の練習なら、4回転アクセルを跳ぼうと思ったときに、コース上に誰かがいれば気が散ってしまうこともある。さらに大勢が滑る中では、氷のコンディション変化も関係する。ひとりだけの練習では、ジャンプに集中できていた。

 さらに、練習の自由度も高くなり、自分のプランに沿った練習がそのままできるのも利点だ。世界選手権前に4回転アクセルを入れたいと考えた羽生は、2月末までに1本でも降りられたらフリーに入れる決断をしていたという。結局、それは実現しなかったが、諦めきれず、日本出発の3日前までその決断を伸ばした。

「かなり死ぬ気でやっていました」と笑みを浮かべる羽生は、他のジャンプは跳ばず、2時間続けてアクセルを跳ぶ日もあったという。もちろん、4回転半の練習だけを続けていたわけではないが、平均すれば、4回転半の練習は1日45分程度やっていた計算になるだろう、と説明した。

「日本にずっといてトロントで体のケアをしてもらっていた先生には診てもらえていなかったので、かなりガタがきているのは確かです。4回転半の練習をしているので体は酷使しているし、痛む部分もちょっとずつ出てきて、足であったり腰であったり首であったり、いろんなところに負担が溜まっていると思う。だから、それも天秤にかけながら、これからどうするかを決めていかなければいけないと思います」

 さらに、『天と地と』に4回転アクセルを入れる意欲も口にした。

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