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羽生結弦が復興への思いを込めたプログラム。感謝と希望を胸に (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

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 金メダリストとして、震災復興のためにできることを模索していた羽生。この大会のエキシビションには、『ホワイト・レジェンド(チャイコフスキー作、『白鳥の湖』より)』を選んだ。それは、2010ー11シーズンのショートプログラム(SP)であり、震災後初めてのアイスショーで使った曲だった。羽生は演技に復興へのメッセージを込め、被災した自身が過ごした街が立ち上がる姿を想像して演じた。

「(『ホワイト・レジェンド』を)ソチでやるかどうか悩んでいたが、金メダルを獲れたのでここで演じたいと思いました。この曲で何かが変わるとは思わないけど、僕自身はこの金メダルからスタートしたいと思うので。間接的にでも被災地のことを思い出すきっかけになってくれたらいい」

 震災は衝撃的な体験だった。経験し不安にさらされたからこそ、羽生はそれを言葉で表現することはできないと考えた。ただ、五輪の金メダリストになり、一歩踏み出さそうと思えたのだろう。

演技を通して震災の思いを伝える羽生演技を通して震災の思いを伝える羽生 その羽生が再び、東日本大震災への思いを演技で表現することを考えたのは、2014ー15シーズン後だった。松尾泰伸氏が作曲した『東日本大震災鎮魂歌「3・11」』との出会いがあったからだ。

「一度聞いただけでこの曲で滑りたいと思った」

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