2021.03.11

羽生結弦が復興への思いを込めたプログラム。感謝と希望を胸に

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

『特集:東日本大震災から10年。アスリートたちの3.11』
第9回:羽生結弦

2015年のファンタジー・オン・アイスで『天と地のレクイエム』を演じる羽生結弦 2011年3月11日に発生した東日本大震災後、羽生結弦は国際大会の記者会見で、海外メディアから震災についての質問をよく受けていた。金メダルを獲得した14年のソチ五輪の会見ではこう話した。

「僕自身から、震災や津波に関して口を開くのはすごく難しいと思っています。五輪で金メダルは取りましたが、復興の直接的な手助けになるわけではないので、『何もできないんだな』という無力感も感じています。

 震災後にスケートができなくて、本当にやめようと考えました。生活するのに精一杯でギリギリの状態でしたから。だから、確かなことは、本当に多くの方々に支えられてこの場に立てたことだと思います。

 自分が滑っていたスケートリンクに寄付をしてくれた荒川静香さん、ホームリンク復活のためにチャリティーイベントを企画してくれた髙橋大輔さん、小塚崇彦さんらのトップスケーターの方々。宮城県をはじめ、東北の被災地支援をしてくださったたくさんの方々にも、感謝の気持ちを持たなければいけません。

 表彰台に上がった時に、日本や世界の応援してくれた何千、何万という人たちの気持ちを背負ってここに立っていると思ってすごくうれしかったし、恩返しができたのではないかなとも思えました」