羽生結弦、いよいよ今季初戦。新プログラムのお披露目はあるのか (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 羽生はこれまで、シーズン初戦は納得できない演技が続いた。それは、長いシーズンを視野に入れたうえでの戦いという面もあるだろう。だが、今季はコロナ禍で先が読めない状況。2021年3月の世界選手権の開催は決定していない。だからこそ全日本は、すべての意識を集中して臨む大会になる。羽生はいち早くGPシリーズ欠場を決めたことで、開催可否がわからない各大会の状況に心を惑わされることなく、やるべきことに集中する環境を自ら作り出していたと言えるだろう。その心中には全日本を初戦とする思いが最初からあったように思う。

 例年のようなハードスケジュールの転戦を経ての全日本ではなく、十分な準備期間を取り、心身ともにリフレッシュした状態で臨めるだろう。そうした中、羽生がどのようなジャンプやスピン、ステップを見せてくれるか。また、新プログラムを披露することになれば、羽生がどのような道を今後目指しているのかが、見えてくる。注目である。

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