2020.11.13

本田真凜が苦しんだ大会で気づいたこと。全日本への課題と新しい楽しみ

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

東日本選手権フリー演技の本田真凜 本田真凜にとってシニアで全日本選手権の出場権を争うのは初めての経験だった。2017年にシニアに上がってからはGP(グランプリ)シリーズ出場により予選を免除されていたからだ。11月6、7両日の東日本選手権女子シングルで10位となり、出場権を獲得した本田は「とりあえずホッとしています。本当にそれだけ」と安堵の表情を見せた。

 出場権を得る条件は、シード権を持っている2人(樋口新葉、川畑和愛)を除いた選手中上位9人というもので、本田は8番目。ギリギリで滑り込んだ厳しい戦いだった。

 右肩脱臼の影響もあって精彩を欠き、140.95点の7位だった東京選手権から約1カ月。「ブロック大会(東京選手権)後は肩の痛みもなくなり、ここ2週間くらいはいつもどおりの練習ができるようになっている」と本田が話すように、氷上での動き自体はしなやかさや動きの大きさが出ていて体のキレもよかった。

 だが6日のショート・プログラム(SP)は苦しい滑り出しになった。最初の連続ジャンプでは、3回転ループが4分の1回転足りずに「q」マークの出来だった。その後に付けた2回転トーループはさらに回転が足りないアンダーローテーション。単発の3回転フリップは両足着氷でダウングレードと判定され、最後のダブルアクセルも「q」が示された。

 スピンふたつはレベル4とし、ステップはレベル2ながら持ち前の表情豊かな滑りを見せたが、得点は50.41点。技術点は全体24位だったが、28.24点を出した演技構成点を伸ばして8位。ただ、不安を感じさせる発進になった。