紀平梨花、GPファイナルでは挑戦者として「初めてのことをする」

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 イタリア・トリノで開幕したフィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナル。女子シングルは6日にショートプログラム(SP)が行なわれるが、2年連続でファイナルに出場する紀平梨花が公式練習で元気な姿を見せている。

グランプリファイナル2連覇に挑む紀平梨花グランプリファイナル2連覇に挑む紀平梨花 公式練習2日目の5日は、前日は現れなかったロシア勢の4選手が参加。紀平の対抗心をあおるようにジャンプの大技を連発し、フリーの曲かけでは度肝を抜くジャンプ構成を見せた。

 なかでもアレクサンドラ・トゥルソワは、ここまでのGP2大会でルッツ、サルコウ、トーループと3種類の4回転ジャンプを跳んでいたが、曲かけの冒頭で何ともう1種類、4回転フリップを鮮やかに跳んでみせた。その後は4回転ルッツを成功させ、4回転トーループ+1回転オイラー+3回転サルコウの連続ジャンプも組み込むなど、4種類5本の4回転を跳んだ。このジャンプ構成は、男子の世界王者ネイサン・チェンと肩を並べるくらいの内容と言ってもいい。それをいとも簡単にさらっとやってのけた驚異の15歳は、負けん気の塊のようだった。

 今季のGP2大会、紀平はいずれもロシアの若手選手2人に敗れている。スケートカナダではトゥルソワに、NHK杯ではトゥルソワの同門でトリプルアクセルを武器に持つアリョーナ・コストルナヤに、10点前後の点差をつけられた。アンナ・シェルバコワを含めたロシアの新鋭3人は、今大会でも表彰台を独占する可能性が高く、紀平自身、厳しい戦いを強いられると覚悟している。

「(彼女たちが)たくさん跳びすぎて、笑えてくるというか、みんな、ほんとうにどんどん成長して新しいことをやっているので、私もついていかないといけない。どんどん新しいジャンプをやっていこうと思っています。

 今年のファイナルは、技術的なところで見るとピンチかなと思う。気持ちの持っていき方は、昨年の経験があってわかっているので、そこに技術がきちんとはまるかがすごく重要。明日(6日のSP)、明後日(7日のフリー)、いろいろ自分の演技や構成を確認して、いいところに持っていきたいです」

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