本田望結も奮闘。フィギュアスケートの次代を担うジュニア女子の争い (4ページ目)
フィギュアスケートの時代が激しく変わりつつある中、西日本選手権でも日本の少女たちが切磋琢磨していた。それぞれが競い合うことで、技術は向上する。年端のいかない選手ばかりだが、少しも甘えた様子はなかった。
取材エリアの隅にある長椅子に座った本田は、スケート靴を脱ぐと黒いスニーカーに履き替えていた。そして粛々と道具を磨く。それは2日後(11月4日)のフリーへの準備のはずだった。ショートは無念の17位に終わったが、フリーに進んでいた。
「去年の出来(全日本ジュニア選手権出場)は偶然のもの。ただ、偶然を必然と考えると面白くなる。一つ一つ、必然と楽しみながらやりたいなと思っています」
本田は野心を捨てていなかった。
「笑顔で終われるようにしたい」
多くの少女たちが言う。彼女たちは氷上で華麗に舞い、優しく笑みを浮かべる。打ちひしがれることもあるだろう。コインの表裏が出る。
その彼女たちが切実な今日を戦い抜くことで、明日に望みはつながる。ライバルの存在に、お互いが刺激される。その競争こそ、日本女子フィギュアスケートの拠り所だ。
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