日本は追いつけるか。フィギュアの絶対女王メドベデワの強さを分析する (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 その精神力の強さは、今年の世界選手権でも発揮された。彼女の前に滑ったアンナ・ポゴリラヤ(ロシア)がミスを連発してリンクの上で泣き崩れてしまうショッキングな姿を見せたが、次に演技をしたメドベデワは、集中力をまったく切らすことなくノーミスの演技をして、自身が持つ歴代最高得点を更新する154.40点を出す完璧な演技をしてみせた。

 プログラムの中に入り込めば、その物語の主役になり、何者も寄せつけない集中力。それは自分の技術への大きな信頼感があるからこそ成し得るものだろう。
 
 隙を見せない絶対女王は、20日から開幕する国別対抗戦にも出場し、日本の前に立ちはだかるだろう。日本勢では宮原知子がグランプリファイナルで218.33点の自己最高得点を出して2位になったように、メドベデワの対抗馬の位置にいる。だが、メドベデワに勝利するには、彼女のメンタルを揺さぶるようなプレッシャーをかける必要がある。

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