指導歴50年、佐藤信夫コーチが語る「浅田真央に継承された凄い技術」 (6ページ目)

  • 辛仁夏●構成 text by Synn Yinha  岸本勉●写真 photo by Kishimoto Tsutomu

 コンパルソリーというのは、ひざの曲げ伸ばしとか、フリーレッグのスイングだとか、その時の上半身の体重のかけ方だとか、いろいろなものが形を成して、初めてできるものです。結局、それはそのスケーターの体の中に染みこんでいるもので、その人の感性そのものです。

 だから、なかなか教えることはできません。僕ら指導者も、一生懸命に言葉にして伝えようとするんだけれども、「で、どうなるの?」という反応が返ってきたら、「もういいよ」というようになってしまいます。「これをやったら何点変わるの?」って、そんなこと答えられるわけがないじゃないですか。

 最後に言いたいのは、コンパルソリーをやっていないからといって、フリースケーティングができないわけではない。しかし、コンパルソリーの技術や知識があれば、これからもフィギュアスケートをやるうえで随分と役に立つことだけは確かだ、ということです。

(つづく)

フィギュアスケート特集号『羽生結弦 未来を創る人』予約受付中!

■フィギュアスケート記事一覧>>

6 / 6

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る