鈴木明子が浅田真央を語る。「ストイックさに少しの変化が...」 (3ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro  是枝右恭●写真 photo by Koreeda Ukyo

――日本人選手には今後、より高いレベルの演技が求められます。しかし世界選手権では、「最高の演技をしても勝てない」という現実に直面しました。2016-2017シーズン以降、日本人選手はどう戦えばいいのでしょうか。

鈴木 今回の世界選手権で銀メダルを獲得したアシュリー・ワグナー選手(アメリカ)は本当に素晴らしかった。自国開催で最終滑走というプレッシャーのなかで、あれだけの演技を見せたのはすごい。24歳になり、スケーティングと表現力にますます磨きがかかってきました。

 彼女が今回初めてメダルを獲得したことは、日本人選手の励みにもなるのではないでしょうか。高難度の技に、「魅せるスケート」をうまく組み合わせることができれば、ロシア勢にも対抗できるはずです。若さと勢いではロシア勢が突出していますが、スケートの深み――挫折を含めた人生経験を表現することで、チャンスは生まれると思います。

――来シーズン、日本人選手が取り組むべき課題は何でしょうか。

鈴木 高難度の技を自分のモノにして、その精度を高めること。スケーティングを含めた表現力を上げること。簡単なことではありませんが、その両方をしないと世界では勝てません。宮原選手だけでなく、全員の課題です。

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