キム・ヨナに勝つために。浅田真央が心に刻んだ決意
カナダで開催された世界選手権で3位に入った浅田真央「最後のコレオシークエンス(※)で、『あぁ、これでようやく大きな大会が終わる!』と思って......。最初のトリプルアクセルの失敗はあったけど、最後は本当に気持ちよく、自分の力を全部出せたと思います」※スピンなどすべての種類の動きで構成される連続演技
3月13日からカナダのロンドンで開催された世界フィギュアスケート選手権。浅田真央は、試合後にホッとした表情を見せながらこう話した。この大会が始まってからの苦しかった時間を、心の中で振り返っているようにも思えた。
2月の四大陸選手権のショートプログラム(SP)ではGOE(Grade of Execution/各要素の出来ばえ)で加点をもらうまでになっていた浅田のトリプルアクセルだったが、カナダ入りしてからの練習では、成功率がよくなかった。
SP前日の公式練習では、8回挑戦してきれいに降りたのは3回だけ。3回はパンク(※)して1回転半になってしまうような状態だった。試合当日の公式練習でも、8回挑戦して降りたのは2回のみ。両足着地が2回でパンクが4回と、浅田の表情に明るさはなかった。さらにSP直前の6分間練習でも状態は同じ。2回挑戦したうち一度は回転不足になって手を付き、もう一度は1回半になっていた。※予定より回転数が減ってしまうこと
だが浅田のジャンプは、試合になると一転、好調さを取り戻した。
冒頭のトリプルアクセルは、公式練習では見られなかったスピードのある滑りから躊躇なく踏み切り、しっかりと回転して着氷。そこで勢いに乗ったかと思ったが、終盤の3回転ループが1回転になる珍しいミス。スピンやステップではGOEで加点をもらう出来だったものの、連続ジャンプの3回転フリップの回転不足も取られ、62・10点。6位発進になってしまった。
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