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【RIZIN】青木真也の寝技はなぜ「異次元」なのか、"世界のTK" 髙阪剛が徹底解説 RIZINで朝倉未来はどう闘う? (2ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

――朝倉選手は昨年7月のクレベル・コイケ選手との再戦で、寝技を凌いでいた印象があります。

「青木の寝技は、クレベルとはちょっと種類が違うんですよ。もちろん、クレベルの寝技はものすごく強いです。ただ、きれいな柔術というか、本人のなかにあるセオリー、順序を経て最後の極めに到達するシステムがあると思うんです。でも青木の場合は、相手に触った感覚で『この相手は何をされたら嫌なのか』というところから発動する。そこがまず違うと思いますね。

 自分も昔、キャッチレスリングを練習に取り入れていたんですけど、単に相手の腕を握るのではなくて、嫌なところを握る。痛いところに指やヒジを置く。そうすると、相手は嫌がって反応しますよね。その反応をあらかじめ予測しておけば、動いた瞬間に首に手を回したり、足首、ヒジ、肩を取りにいったりできる。相手のウィークポイントを自分から引き出す、という考え方がキャッチレスリングにはあるんです」

【青木とクレベルの寝技の違い】

――青木選手の寝技も、それに近いものがある?

「そうですね。最後の極めはバックチョークだったり、三角絞めだったり、足関節だったり、いろいろあります。でも、そこまでの過程が、いわゆる一般的な柔術やグラップリングとは少し違う。自分たち50代、60代くらいの世代が、なんとかして手に入れようとしていた感覚を、青木はおそらく持っているんです。『どうすれば相手が嫌なのか』を理解して、それを駆使して最終的に極めまで持っていく。プロセスがまったく異なると思いますね」

――より柔術らしい手順を踏んでいくのが、クレベル選手ということですね。

「ただ、同じボンサイ柔術所属でもサトシ(ホベルト・サトシ・ソウザ)とも違います。クレベルはゴールに向かってひとつずつ詰めて、そこに到達する。サトシは途中の過程を飛ばして、一気にいけるような強みがある。一方で青木の場合は、相手に触った時点では、まだゴール自体が決まっていないと思いますね」

――青木選手の教則動画『サブミッションレスリング』を見ると、関節のどこを握るのか、腕や足をどういう角度で使うのかなど、ものすごく細かいところまで言語化されています。それを試合中、警戒している相手に対して一瞬でやってのける場面を何度も目にしてきました。

「青木は、ほんの少しの握り方の違い、身体のどこを押さえるのか、といったことをすごく細かく理解している。しかも、自分の感覚だけでやっているのではなく、ちゃんと言語化できるところまで昇華しているんです。言語化できるということは、自分が何をやろうとしているのかを客観的に理解できているということ。だから今の青木の寝技は、本当に成熟しきっている状態だと思いますね」

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