検索

【中谷潤人・独占インタビュー】井上尚弥戦に準備していた戦略とは? リングでモンスターの速さを実感するも「動きに反応できる」 (3ページ目)

  • 林壮一●取材・文・撮影 text & photo by Soichi Hayashi Sr.

【5ラウンドから攻勢に】

 5ラウンド開始前のインターバルで、ルディ・エルナンデスから「倒せ!」という声がかかる。中谷は仕掛けた。同ラウンド終盤に、ボディへの左ストレートから右フックをヒットして、流れを手繰り寄せる。ふたつのジャブからの左打ち下ろしも、浅くだがモンスターを捉えた。

「井上選手は打ち終わりの切り替えや、僕が回ろうとした時に追いかけてきて、詰める速さがありました」

次第に、互いのパンチが交錯する展開に ©Lemino/SECOND CAREER/NAOKI FUKUDA次第に、互いのパンチが交錯する展開に ©Lemino/SECOND CAREER/NAOKI FUKUDAこの記事に関連する写真を見る

 翌6ラウンドも中谷の距離で試合が進む。挑戦者は、井上が懐に入ってくるところにアッパー、あるいは左ストレートを放とうと試みたが、チャンピオンも高度な技術でクリーンヒットさせない。

 第7ラウンド開始早々、中谷は左フック、右アッパー、左ストレート、右フックのコンビネーションを繰り出し、アドバンテージを取る。8ラウンドはクロスレンジでパンチを交換し、挑戦者の左打ち下ろしと右フックがヒット。しかし井上には、決定打をもらわない防御テクニックがあった。

 そして試合は、勝負の終盤を迎える。

(後編:中谷潤人は勝負のラウンドで「視界が二重になった」 120パーセントを出した井上尚弥戦を経て「KOアーティストを目指す」>>)

重版決定‼

『超える 中谷潤人ドキュメント』(著・林壮一)

ボクシング世界3階級制覇王者・中谷潤人――。
本人はじめ家族、日米の多数関係者に取材を重ね、
その強さの源泉に迫る渾身ノンフィクション!

『超える 中谷潤人ドキュメント』2026年3月5日(木)発売 | web Sportiva (スポルティーバ)

著者プロフィール

  • 林壮一

    林壮一 (はやし・そういち)

    1969年生まれ。ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するもケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。ネバダ州立大学リノ校、東京大学大学院情報学環教育部にてジャーナリズムを学ぶ。アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(以上、光文社電子書籍)、『神様のリング』『進め! サムライブルー 世の中への扉』『ほめて伸ばすコーチング』(以上、講談社)などがある。

【写真】女優・ラウンドガール・格闘家の「三刀流」 宮原華音フォトギャラリー

3 / 3

キーワード

このページのトップに戻る