【プロレス】藤原喜明が思い出す、前田日明が起こした長州力「顔面襲撃事件」と解雇 アントニオ猪木に「なんとかなりませんか」 (2ページ目)
【新日本を解雇された前田がUWF再興へ】
前田に顔面を蹴られた長州は右目が大きく腫れ上がり、前田に食ってかかった。前田も挑発し、両軍が入り乱れる異様な状況となった。最終的には、長州がリキラリアットで髙田を倒して試合を終わらせたが、不穏な空気は残ったままだった。
長州は試合後、病院で全治2週間の診断を受けた。一方の前田は、看板選手にケガを負わせた責任を問われ、新日本から無期限の出場停止と、自宅謹慎の処分を通告された。そして翌年に、前田は新日本を解雇された。
この「顔面襲撃事件」について、藤原はこう捉えていた。
「試合ではよくある事故だよ。俺に言わせれば、ごく普通の出来事だ。だけど、前田を嫌いな連中たちが大きく騒ぎたてて、『アイツをクビにしちまえ』ってなったんじゃねぇかな」
当時、猪木はこの事件について「卑怯千万。プロレス道にもとる」と断じた。かつてグレート・アントニオの顔面を蹴り上げてKOした猪木が発した言葉に、藤原は違和感を抱かなかったのだろうか。
「猪木さんは社長だったからな。前田を辞めさせる口実みたいなものを言わなきゃいけなかったんだろう。俺は団体の経営にはまったく関わっていないし、事務所でどんな話し合いが行なわれたかも知らない。ただ俺が思うには、あの時の猪木さんは、何かを言わなければいけない状況だったんだろうなって思うよ」
前田の解雇が決まった時、藤原は猪木、副社長の坂口征二に直談判した。
「猪木さんと坂口さんに『なんとかなりませんか』って言ったんだけど、『ならない』の一点張りだったな。『じゃあ、しょうがねぇな』って思うしかなかったよ。俺らプロレスラーは個人事業主だからな。それ以上、構っている暇はなかったんだ」
新日本を解雇された前田は、UWF再興へ動く。UWFに所属していた髙田、山崎一夫、中野龍雄(現・巽耀)、安生洋二、宮戸成夫(現・優光)と新日本を離脱。ユニバーサル時代から行動をともにしてきたフロントスタッフと一緒に、新生UWFを設立した。藤原にも、前田から誘いの声がかかったという。
「前田から『来てください』って言われたよ。だけどUWFは、第一次の時代にごちゃごちゃしたからな。俺は面倒くさいことが嫌いだから、『そんなトラブルが起きそうなところはいい』って断ったんだ」
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