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【ボクシング】中谷潤人のマネージャーは2歳下の弟 「阿吽」の呼吸で兄を支え、一緒にモンスター超えを目指す (2ページ目)

  • 林壮一●取材・文・撮影 text & photo by Soichi Hayashi Sr.

 2歳下の弟、龍人はマネージャーとして中谷を支えている。板前だった父の後を追い、料理人の修業をしたあと、家族とともに神奈川県相模原市に移り住んだ。現在、龍人は練習中も本番の試合でも、そしてメディア対応の際にも兄に寄り添う。マッサージのやり方も本格的に学んだ。

 調理の世界に踏み出した頃、龍人は父親の澄人から「人の発する一字一句を聞き取り、何を望んでいるのか、何を考えているのかを観察しろ」と助言されている。これは、グリーンボーイ時代に中谷が中華料理チェーン『バーミヤン』で働き始めた折に告げたものと、同じ内容だ。

 澄人は思い返す。

「(板前の修業時代に)知らない土地でさまざまな人に揉まれ、龍人が悩んでいることは察していました。僕が余計な擦り込みをしなければ、普通の若者として過ごせたかもしれないと思うと、つらいことをさせてしまったのではないか......そんな話を妻とした記憶があります。人間はつらいことを避けて生きていくこともできますが、それで自分に恥じないか。一生懸命に生きていると胸を張って言えるのか? と考えたうえでの発言でした」

【「阿吽」の呼吸で兄をバックアップ】

 26歳になった龍人は、どんな時も、誰に対しても笑顔を忘れない。兄が自身をとことん追い込むメニューを終え、座り込むような状態になっても、タイミングよくペットボトルを口元に差し出す。また、疲労のピーク時にも「もっと低く」「手を出す」「ここを乗り越えれば楽になるよ」と絶妙な間合いで声をかけ、タオルで中谷の汗を拭う。

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 私と龍人の出会いは、2022年8月のLAキャンプにおいてだった。兄と一緒にボクシングジムに通い始め、小学6年の頃、アマチュアの大会で日本2位になっている龍人だが、プロの道は選ばなかった。中学時代はジムに通う傍ら陸上部にも所属し、走り幅跳びと砲丸投げの選手として汗を流している。

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