ウナギ・サヤカが思う今後のプロレス界の成功のカギとは? シングルマッチで闘う引退レスラーたちには「夢も一緒に連れていけたら」 (4ページ目)
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――齋藤さんの動画は「いい作品を作りたい」という志が見えますし、よりリアルなものを届けたいという葛藤は絶対あると思います。
ウナギ:めっちゃあると思う。前田日明のYouTubeとかは、バズらせるために、なんなら炎上させるために切り取っていると思うんですよね。前田日明も「叩かれてる、どうしよう」なんてことは思わない。それは別にいいんですけど、ひとつのコンテンツとして見た時に、やっぱり信頼度はなくなる。
私だって、たぶんもっとバズれる動画を出せますよ。切り取り方によっては、私もけっこう過激なことを言うから。でもそこは、齋藤さんがかなり計算して作ってくれていると思います。今まで敬遠されていた部分をいい意味で見せていきたいので、そのために信頼関係が大事かなと思いますね。
【100%未練なしに辞めていく人は、たぶんひとりもいない】
――新宿FACEでの自主興行が始まります。メインは引退を控えている5人のレスラーとのシングルマッチ。まずは9月29日、本間多恵選手とシングルですね。
ウナギ:この5人にむっちゃ思い入れがあるかといったら、そういうわけではないんですよ。でも、それぞれに思うことはあって。たえぴょん(本間多恵)とかだと、たえぴょんが自主興行をやった(8月30日、新木場1stRing)のは私のせいなんですよ。
――そうなんですか?
ウナギ:引退を聞いて、「いつですか?」って聞いたら、「10月13日の乱丸フェスで」と言われて。「自主興行は?」って聞いたら、「やらない」と。いやいやいやいや、お前、10年もプロレスやって、自主興行をやらずにレスラーを終えるって、プロレスラーちゃうぞって。この苦労を知らないままレスラーを終えるのと、やって苦しさを知った上で辞めていくのは全然違うからねって。フリーだったら絶対やらなきゃダメだって、毎日詰めたんです。
――なぜ、自主興行をやりたくなかったんでしょうか?
ウナギ:やってみたいけど、大変だからって。めっっっちゃくちゃ大変だし、1カ月くらい前にチケットが売れてなかったらゲロ吐きそうになる。でも、これをやらないと、団体がどういう苦労をして興行を行なっているのを知らないまま辞めていくわけじゃないですか。
自分で興行をやると、仕組みがちょっとわかるんですよ。「待って、こんなところでこんなことを考える必要もあるの?」みたいな衝撃がけっこうあって......。だから、それは知らないと失礼だよって。自分がここまでできたんだ、できなかったんだっていうのを知るためには、絶対にやらないとダメだって詰めまくりました。
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