【ボクシング】山中慎介が井上尚弥vsアフマダリエフを予想 挑戦者とは実力差があるが「どこか不気味な怖さがある」 (2ページ目)
【両者の実績と実力差】
――今回の試合に関して井上選手は「KOにこだわらない」とコメントしています。この発言通りなのか、駆け引きなのかはわかりませんが、好戦的なアフマダリエフ選手に対して、より丁寧に戦う可能性は高いですか?
「そう受け取れますよね。特に今回は、試合の立ち上がりを集中して、慎重に入ってくると思います。そのなかでタイミングや距離感が合ってくれば攻めていくはずですが、前回のような強引さは出さないでしょう。井上は一発一発をしっかり正確に打ち込める選手なので、自分のリズムで戦えれば、アフマダリエフといえども合わせるのは相当難しい。総合的に見ても、やはり井上が優位ですね」
――両者のこれまでの対戦相手や試合内容を比べても、差はありそうでしょうか。
「アフマダリエフは、タパレスに1-2の判定負け、ダニエル・ローマンには2-1の判定勝ちと、いずれも実力者とは接戦になっています。一方の井上は、スーパーバンタム級に上げてからの6戦すべてがKO勝ち。戦績だけでなく、内容にも明確な差がありますね」
――そんななかで注目なのが、井上選手の試合の入り方ということになりますね。
「そこですね。強引にならずに、いかに自分のペースに持ち込むか。井上の戦い方次第だと思いますね。フルトン戦よりも今回のほうがより慎重になると思います。前回のカルデナス戦でダウンもありましたから、距離設定もしっかりやってくると思いますよ」
――この試合がどう展開していくかは、井上選手が選べる側にあるという見方もできますか?
「まさにそうですね。スピードや技術、ボクシングの引き出しや質は、井上のほうがかなり高いですから」
――特に差があるのはスピードでしょうか?
「はい。ただ、ボクシングの面白いところって、スピードだけではないこと。例えば、(2020年の)井岡一翔(Ambition)と田中恒成(畑中)の試合もそう。スピードでは田中が圧倒的でしたが、勝ったのは井岡でした(8ラウンドTKO)。アフマダリエフもスピードで劣る部分を補ううまさを持っています。リオ五輪で銅メダルを獲っているように技術もあるし、倒せるタイミングとパンチを持っている選手です」
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