井上尚弥と中谷潤人の試合予想にノニト・ドネアも「興奮してくる!」伸び盛りの中谷は今後、パッキャオのようになれるか (2ページ目)
【戦うとしたらどの階級?】
『RING』誌で記事を発表し、『ESPN』や『Fox』といった大手TV局のボクシング中継でコメンテイターを務めるマノウク・アコピアンにも話を聞いた。ボクシングジャーナリストののマノウク・アコピアン氏(写真/本人提供)この記事に関連する写真を見る
「イノウエvs.ナカタニ戦は日本ボクシング史上最大のファイトとなるでしょう。ボクシング界にとって年間ベストバウト、そして日本にとっては年間最高のスポーツイベントとなる要素が、すべて揃っています。
この一戦は、五分五分の激戦になると私は考えます。イノウエを下すことは難しいですが、ナカタニがもたらす脅威を無視するのはさらに困難です。このファイトと彼らのライバル関係が再戦、さらには第3戦の実現に至るような、すばらしいものになることを願います。
イノウエには衰えの兆しが見られます。このところ、2試合で序盤にダウンを喫しています。とは言え、ルイス・ネリやラモン・カルデナスを圧倒するなど、驚異的な闘志を見せて復活しました。ナカタニとの対戦が実現する頃、彼は33歳になり、ムロジョン・アフマダリエフやフェザー級チャンピオンのニック・ボールとの厳しい戦いを経験しているはずです。イノウエがいったん126パウンドまで階級を上げ、ナカタニ戦に向けて再度122パウンドに下げるのは、あまりいい考えではないと感じます。
ただし126パウンドでの試合を成立させ、ナカタニに2階級上げさせる場合は別です。ナカタニはWBOフェザー級王者、ラファエル・エスピノーザとの対戦にも前向きなようですね。フェザーでイノウエと対戦する用意もできているんじゃないかな。両者がスーパーファイトに向けて態勢を整えようとしているなかで、これからの8カ月間、チェスマッチのような展開がいかに進むかは非常に興味深いです」
T-モバイル・アリーナで、モンスターの8ラウンドKO防衛を目にし、翌週、中谷のLAキャンプ地に足を運んだアコピアンはこう結んだ。
「ルディ・エルナンデスは、ナカタニが15歳の頃から彼を指導してきました。エルナンデスは過去12年間でナカタニに3階級のタイトルを獲得させるなど、パウンド・フォー・パウンドの偉大なファイターに育て上げました。2人は絶妙なチームワークを築いています。だからこそ、ナカタニはトレーニングのために地球の裏側までやってくるし、母国に戻って試合に臨むのです。ナカタニがルディをどれほど信頼しているかがわかりますね」
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