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井上尚弥vs中谷潤人が実現したらどっちが勝つ? アメリカの識者たちの勝敗予想は「イノウエが簡単に勝利」「ナカタニが有利」などさまざま (3ページ目)

  • 林壮一●取材・文・撮影 text & photo by Soichi Hayashi Sr.

【「2026年の開催なら、どう考えてもナカタニが有利」】

先日に発表したパウンド・フォー・パウンド・ランキングで、井上尚弥を1位、中谷潤人を10位とした『BRUNCH BOXING.com』のマイク・アンドラーデ(44歳)は、「2026年に実現するんだろ?」と片目をつぶってみせた。

マイク・アンドラーデ氏マイク・アンドラーデ氏この記事に関連する写真を見る「両チャンピオンとも賢く、リングで(相手からの)恐怖を感じたことがない。技術もメンタルもまるで問題が見当たらない。今、イノウエはパウンド・フォー・パウンドのナンバーワンだ。そのイノウエを脅かす唯一の存在がジュント。減量してバンタムでやっているが、クラスを上げればよりシャープに動き、強いパンチも打てると感じる。あの長いリーチが魅力だな。

 ジュントはタイミングよく的確にパンチを打つよね。それに伸び盛りだ。どんどん強くなっているし、底が見えない。一方のイノウエは、ルイス・ネリ戦でダウンを喫したように、けっこうパンチをもらう。ジュントが自分の距離で戦えば、9、10ラウンドでイノウエを倒すだろう。

 日本のファンが楽しみにしているビッグマッチだから、まずはスーパーバンタム級で、東京ドームで開催するといいよ。でも、リターンマッチはフェザー級に上げアメリカでやってほしいな。アメリカのファンにも見せてあげたいからね。1戦目も2戦目も、ジュントがKO勝ちすると俺は思う」

 ドレッドヘアが目立つ『Hip Hop Sports』のマッカーサー・シモン(25歳)は、「彼らの激突は、サウジアラビアでもいいんじゃないですかね。莫大なファイトマネーが保証されそうですから」と朗らかに述べた。

マッカーサー・シモン氏マッカーサー・シモン氏この記事に関連する写真を見る「私はイノウエを、パウンド・フォー・パウンドの3位とします。1位はウシクで、2位はテレンス・クロフォード(現WBA/WBO暫定スーパーウエルター級王者)。ただ、イノウエは、ほころびも見せ始めましたよね。パワーのないネリに倒されてしまったんですから。ナカタニのほうがネリよりもパンチがあるし、速い。このところ、イノウエは骨のある挑戦者との試合をやっていません。簡単に勝てる相手ばかりです。

 ナカタニの鋭いパンチをもらったら、ネリ戦以上のダメージを受けることになるでしょう。2026年の開催なら、どう考えても上り調子のナカタニが有利です。私はイノウエがノックアウトで敗れるんじゃないかと感じますね」

ボクシング記者歴20年、『Pound4Pound.com』のイガー・フランク(62歳)は、「ものすごくいい試合になるだろうね」と興奮気味に語った。

イガー・フランク氏イガー・フランク氏この記事に関連する写真を見る「予想は非常に難しい。イノウエの破壊力は群を抜いている。その上、スピードがあって、どんな相手でも考えて試合を組み立てる。テクニックは互角じゃないかな。ジュントのほうが体の使い方に長けているよ。何より、リーチが武器になりそうだ。離れて戦えば、イノウエがフラストレーションを感じる展開となるだろう。あえて数字で言うなら、51-49でジュントだな。勝ちの匂いがする」

 ラスベガスにはフロイド・メイウェザーが経営するジムがあるが、そこでトレーナーとして働く元ミドル級のプロ選手、クロムウェル・ゴードン(45歳)にも話を聞いた。
クロムウェル・ゴードン氏クロムウェル・ゴードン氏この記事に関連する写真を見る
「東京ドームが満員になるカードだね。予想は本当に難しい。ふたりの"モンスター"の激突だもんな。パンチ力でイノウエ、試合構成でナカタニと俺は見る。50-50だ。当日のコンディションがいいほうが勝つ、そうとしか言えないな。

 ナカタニがリーチをどう生かすか、イノウエはいかに自分の距離にするか、駆け引きが見物だ。両者ともメンタルが強いし、ボクシングを知っている。究極の戦いとなるだろう」

 これから試合実現まで、世界中のボクシング関係者、そしてファンが全勝中のふたりの日本人世界チャンプに思いを巡らせることだろう。2015年5月2日に行われたメイウェザーとマニー・パッキャオのファイトは6億ドルの収益を産んだとされるが、共にファイターとしての全盛期は過ぎており、「5年遅かったカード」と評された。

 ふたりはすでに、対戦に乗り気である。井上尚弥vs.中谷潤人戦が、ベストタイミングで実現することを祈る。

著者プロフィール

  • 林壮一

    林壮一 (はやし・そういち)

    1969年生まれ。ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するもケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。ネバダ州立大学リノ校、東京大学大学院情報学環教育部にてジャーナリズムを学ぶ。アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(以上、光文社電子書籍)、『神様のリング』『進め! サムライブルー 世の中への扉』『ほめて伸ばすコーチング』(以上、講談社)などがある。

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