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朝倉海は「有利」なはずの打撃でも苦戦 髙阪剛が語るUFC王者の「ヘタウマ」な打撃が当たる理由と、朝倉が取り組むべき課題 (5ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

――パントージャ選手のみならず、ダゲスタン共和国や中央アジアの選手も組み技やレスリングに秀でていて、無尽蔵にアタックしてきます。打撃で勝負したい選手が彼らを攻略するのは苦労しそうですね。

「なかなか大変だとは思います。組みにいってテイクダウンして、立たれてもまたすぐにプレッシャーをかけて再び組みにいく。そして、押し込んでケージレスリングに持ち込む。これを1ラウンドに3回、フルラウンドで続けられる選手は、まず負けないです。

 私がその数を最初に数えた選手は、ハビブ・ヌルマゴメドフ(元UFC世界ライト級王者/UFC殿堂入り)でした。彼は1ラウンドに必ず3回、多いときはそれ以上アタックしていました。たとえ相手がしのいでダメージがなかったとしても、ジャッジは『試合をコントロールしている』と見ますからね。これをフルラウンドでやるスタミナと、出力をコントロールできる選手がUFCに集まってきていると思います。特にフェザー級、バンタム級、フライ級といった軽い階級のほうが、その傾向が顕著に見られますね」

――まさに"修羅の国"ですね。

「そうですね(笑)。でも、海選手をはじめ、そこに挑む日本人選手たちには期待していますし、応援しています」

【プロフィール】
■髙阪剛(こうさか・つよし)

学生時代は柔道で実績を残し、リングスに入団。リングスでの活躍を機にアメリカに活動の拠点を移し、UFCに参戦を果たす。リングス活動休止後はDEEP、パンクラス、PRIDE、RIZINで世界の強豪たちとしのぎを削ってきた。格闘技界随一の理論派として知られ、現役時代から解説・テレビ出演など様々なメディアでも活躍。丁寧な指導と技術・知識量に定評があり、多くのファイターたちを指導してきた。またその活動の幅は格闘技の枠を超え、2006年から東京糸井重里事務所にて体操・ストレッチの指導を行なっている。2012年からはラグビー日本代表のスポットコーチに就任。

◆Twitter:@TK_NHB
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