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朝倉海は「有利」なはずの打撃でも苦戦 髙阪剛が語るUFC王者の「ヘタウマ」な打撃が当たる理由と、朝倉が取り組むべき課題 (4ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

――次戦は、海選手にとって非常に重要な一戦になりますね。

「それは間違いありません。ただ、ポジティブに捉えてほしいのは、今回のパントージャは"頂点"の選手だったということです。その相手と戦った感覚をしっかり消化して落とし込んでいくことは、実際に戦った人間にしかできないこと。しかも、UFCの初戦、タイトルマッチ挑戦という緊迫した状況で感じたことですから、一生忘れないはずです。その経験を自分に還元していくことは、そんなに難しくないと思いますよ。パントージャから得たものを、自信を持って使えるようになると、私は信じています」

――海選手は試合後、自身のSNSで「必ず這い上がってチャンピオンになる」とコメントしています。

「しばらくは落ち込んで当然だと思いますが、海選手が今まで積み上げてきたことは決して無駄になっていません。今回の敗戦をポジティブに捉えて、次への糧にしてもらえたらと思います」

【「まず負けない」選手たちがUFCに集結】

――今回、海選手の「UFC初陣でのタイトルマッチ挑戦」には、否定的な意見もありました。この点についてはいかがですか?

「いろんな要素が絡んでいたと思いますが、大事なのはUFCが受け入れて、海選手が相当なプレッシャーのなかでオクタゴンに上がり、パントージャと対峙したという事実です。自分は『よくやったな』と思いますね。パントージャもよく受け入れましたよね。いずれにしても、お互いが了承してあの一戦が実現したのは事実です」

――海選手のフライ級でのコンディションはどう見えましたか?

「RIZINで海選手と対戦経験のあるマネル・ケイプ選手は、『試合中の彼は小さく見えたし、たぶん減量が結果に影響したと思うね』と言っていました。これまでのバンタム級の海選手をイメージしているなら、ひとつ階級を下げたわけですから当然そう見えると思います。でも、コンディションは決して悪くなかったはずです。リカバリーもうまくいっているという情報は耳に入っていましたし、入場時の表情や動きを見てもよかったと思いますけどね」

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