山中慎介は激闘の「武居由樹vs比嘉大吾」で勝負を分けたポイントをどう見たか 10.13「井上拓真vs堤聖也」も予想した (4ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

【山中慎介が現役時代に戦いたかった選手】

――山中さんが12度防衛したバンタム級が、今や日本人同士の対決で盛り上がっていますね。

「僕たちの時代は防衛回数がすごく重視されましたが、今は主要団体が4つありますし、統一戦や複数階級制覇が注目されますよね。もし僕が現役時代に、今のように複数階級制覇が当たり前だったら、階級をひとつ上げていたかもしれません」

――スーパーバンタム級で戦いたい選手がいたんですか?

「はい。レオ・サンタ・クルス(バンタム級~スーパーフェザー級まで世界4階級制覇王者)です」

――ボクシングファンにとっては夢のカードですね。

「サンタ・クルスとならアメリカで試合ができたでしょうし、やりたい相手でした。ただ、さまざまな事情もあって、実現は難しかった。昔に比べて今は、ファンが求めるビッグマッチが実現しやすくなりましたよね」

――ウェルター級の佐々木尽選手やスーパーライト級の平岡アンディ選手ら、中量級で期待の選手もいますから、井上尚弥選手に引っ張られる形でビッグマッチも今後増えていくでしょうね。

「そうですね。尚弥が世界で結果を残し続けているおかげで、日本のボクサーたちがより注目されるようになっていますし、ビッグマッチ実現も増えていくと思います。世界の舞台でどんな戦いを見せてくれるのか、非常に楽しみです」

【プロフィール】
■山中慎介(やまなか・しんすけ)

1982年滋賀県生まれ。元WBC世界バンタム級チャンピオンの辰吉丈一郎氏が巻いていたベルトに憧れ、南京都高校(現・京都廣学館高校)でボクシングを始める。専修大学卒業後、2006年プロデビュー。2010年第65代日本バンタム級、2011年第29代WBC世界バンタム級の王座を獲得。「神の左」と称されるフィニッシュブローの左ストレートを武器に、日本歴代2位の12度の防衛を果たし、2018年に引退。現在、ボクシング解説者、アスリートタレントとして各種メディアで活躍。プロ戦績:31戦27勝(19KO)2敗2分。

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