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山中慎介が井上尚弥の次戦を予想 ファンが望む中谷潤人との対決は「想像するだけでも楽しい」 (4ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

【井上尚弥vs中谷潤人が実現したら、試合展開はどうなる?】

――尚弥選手は、7月16日の会見で「あと2年くらいはこの階級(スーパーバンタム級)でやる」と明言しました。中谷選手は、バンタム級統一戦線の進み具合によっては早めの階級アップの可能性もあるでしょうから、対戦が現実味を帯びてきました。

「本当にタイミング次第ですね。仮に1年後に実現するとすれば、そこまでの中谷の成長を考えても非常に面白い試合になるでしょう。ふたりはファイトスタイル、パンチの系統も違いますから、どんな試合になるのか楽しみです」

――仮に試合が実現した場合、勝負のポイントはどこになりそうでしょうか。

「距離でしょうね。バンタム級に上げてからの中谷は、まず距離を取って、体のフレームの大きさを活かして戦います。そこで尚弥に、どれだけ"やりにくさ"を感じさせることができるか。そこがカギになりますね」

――自分の得意な距離で戦えるかどうかがポイントになる?

「中谷は相手からすると、かなり遠くにいるように感じると思います。スタンスも広く取るので、なかなか中に入れない。尚弥がそれを苦にせず、自分の距離まで詰められたらペースを握るでしょう。ただ、中谷は近い距離でも強いんですよ。中に入ったからといって簡単には攻略できないはずです。そういった展開を想像するだけでも楽しいですね(笑)」

――もしかすると、スーパーバンタム級ではなくフェザー級でぶつかる可能性もあるでしょうか。

「タイミング次第では、それもあり得ますよね。中谷の骨格を考えると、今のバンタム級よりスーパーバンタム級かフェザー級のほうが適正な階級だと思います。本来のパワーをしっかり発揮できるという意味では、フェザー級が適しているかもしれません。ただ、尚弥はフェザー級に上げることには慎重ですし、さまざまな条件が噛み合えば、という感じでしょうか」

――8月3日付の『リングマガジン』のPFPランキングでは、尚弥選手が2位で中谷選手が9位。それもふまえて、ふたりが対戦するとなれば間違いなく盛り上がりますね。

「間違いないですね。会場はまた、東京ドームになるのかなと。無敗の日本ボクシング界の宝が対決するのはもったいない気もしますが、今後のふたりの成長を楽しみながら、行く末を見守りたいです」

(後編:ボクサー那須川天心の才能を絶賛 対決の機運が高まる王者・武居由樹の次戦の展望は?>>)

【プロフィール】

■山中慎介(やまなか・しんすけ)

1982年滋賀県生まれ。元WBC世界バンタム級チャンピオンの辰吉丈一郎氏が巻いていたベルトに憧れ、南京都高校(現・京都廣学館高校)でボクシングを始める。専修大学卒業後、2006年プロデビュー。2010年第65代日本バンタム級、2011年第29代WBC世界バンタム級の王座を獲得。「神の左」と称されるフィニッシュブローの左ストレートを武器に、日本歴代2位の12度の防衛を果たし、2018年に引退。現在、ボクシング解説者、アスリートタレントとして各種メディアで活躍。プロ戦績:31戦27勝(19KO)2敗2分。

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