パリオリンピック女子レスリング 藤波朱理の強さの理由を先輩オリンピアンが振り返る (3ページ目)

  • 佐野美樹●取材・文 text by Sano Miki

【連勝記録が途絶える時が来ても...】

 幼少期から一番近くで支えてもらい、師事してきた父と一緒に戦った、初めてのオリンピック。ふたりが日の丸を掲げる姿に、会場は割れんばかりの拍手が鳴り響いた。

「もう、オリンピック最高! レスリング最高!」

 試合後のインタビューで、笑顔で思いっきり叫ぶ姿は、試合の時のそれとはまったく違い、普通の20歳の大学生そのものだった。

二人三脚で歩んできた父と抱き合う藤波朱理 photo by Sano Miki二人三脚で歩んできた父と抱き合う藤波朱理 photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る かつての吉田沙保里もそうだったように、きっといつかは連勝記録が途絶える時が来るかもしれない。しかし、それだけにとらわれず、彼女らしいレスリングを突き詰めて、最後はいつも「レスリング最高!」と叫んで笑っていてほしいと切に願う。

 これから先、彼女は私たちに新しい世界をどれだけ見せてくれるのだろうか。これからの藤波朱理が本当に楽しみだ。

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