村田諒太vsゴロフキンは「激闘になる」。米識者たちが考える怪物パンチャー攻略法は? (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Sankei Visual

アイデック パワフルなベテラン選手同士の対戦なので、激しい打ち合いになるだろう。"War(戦争)"と呼んでいい激闘になるかもしれない。村田は過去2敗を喫しているが、どちらもアウトボクサー相手のものであり、怪物的なパンチャーのゴロフキンはタイプが違う選手だ。村田がゴロフキンのパワーに耐えられるアゴの強さを持っているかが、ひとつの見どころになると思う。

フラーエンハイム ゴロフキンのほうが村田より一枚上のボクサーだとは思うが、最近は衰えの兆候が見える。どれだけ衰えたのか、その答えがこの試合で示されるだろう。サウル・"カネロ"・アルバレス(メキシコ)はクルーザー級進出を計画しているが、一方で海外進出も望んでおり、この試合にも注目しているはずだ。村田がゴロフキンに勝つ大番狂わせを起こし、評価と知名度を上げれば、将来的なカネロ戦のチャンスも出てくるのではないか。そういう視点からも興味深い一戦だ。

Q2.村田はどこに勝機を見出すべきか?

レイフィール 正直に言うが、私は村田にチャンスがあるとは思えない。村田にはゴロフキンに勝つための武器が欠けている。現役最高の打たれ強さを誇る選手をKOすることは難しいし、強敵相手の経験値も段違いだ。ゴロフキンも全盛期を過ぎているとは思うが、それでも村田よりかなり上の選手だと見ている。しかし村田が、私が間違っていることを証明できたら、その時には彼を素直に称賛するつもりだ。

キム 村田はタフで、パワーがあり、決意を固めてこの試合に臨んでくるはず。アウトボクシングではなく、ゴロフキンにプレッシャーをかけていくべきだ。セルゲイ・デレビャンチェンコ(ロシア)戦で示したとおり、ゴロフキンは手数が多い選手に苦しむことがある。村田もハイペースでパンチを出してゴロフキンに挑んでいくべきだろう。

アイデック ゴロフキンが39歳と高齢化したとはいえ、真っ向から打ち合って村田が勝てるとは思えない。村田は判定勝利を目指すべきではないか。日本での試合なら村田に地の利があり、会場のファンは村田がパンチを当てるたびに大歓声を挙げるだろう。クリーンヒットしなくても、ガードの上を叩くだけで観客は反応し、ジャッジの見方に影響を与えるかもしれない。そういった背景から、村田の判定勝ちは不可能ではないと考える。

フラーエンハイム 村田はゴロフキンのパワーに耐えきるだけのタフネスを示さなければいけない。最近のゴロフキンの反射神経はかつてと同じではなく、動きが少なくなっただけに、村田にもパンチを打ち込んでダメージを与える機会はあるかもしれない。ただ、それをするためには打たれ強くなければならず、村田がそれを備えているか、現段階ではわからない。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る