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魔裟斗が分析する武尊と那須川天心。熱望される直接対決で「勝敗を分けるカギは...」 (3ページ目)

  • 栗田シメイ●文 text by Kurita Shimei

――この先のK-1に、どういった発展を期待しますか?

「僕はK-1のビジョンがわかっていますが、世界最高の舞台を目指していってほしい。1990年から2000年代にかけてのK-1は、まさに世界最高の"立ち技最強"を決める舞台だった。でも、旧K-1がなくなって以降、GLORYというキックの新しい団体や、シンガポールを拠点とするONE Championshipという団体もできて、世界各地に格闘技団体が分散していきました。

 先日、K-1のオーナーと『K-1を再び最高の舞台にできたら』という話をしたら、オーナーは『100年で完結させる』と言っていました。たぶん僕たちが生きているうちは無理だけど、ゆっくり時間をかけて目標に向かっていくと。詳しくは言えませんが、ビジョンがしっかりしているので、僕から言うことは特にないですね」

――100年という長い時間をかけて、世界一を目指していくという構想なんですね。

「現実的には、それだけ難しいことだと思います。ただ、100年経ったらボクシングとかアメリカのUFCよりも、K-1のほうが盛り上がっているかもしれない。そうなった時に『日本人で初めて世界チャンピオンになった魔裟斗』という事実は歴史に残りますよね。僕は白井義男(日本人初のボクシング世界王者)さんと会ったことはないですが、名前は知っています。同じように100年経ったあとでも、K-1に自分の名前が残っているとカッコいいじゃないですか。そういう語り継がれ方もいいな、と思っています(笑)」

(中編:KIDとの伝説の一戦を振り返る)

■魔裟斗(まさと)
1979年、千葉県生まれ。1997年に全日本キックボクシング連盟での試合でプロデビュー。2003年の『K-1 WORLD MAX』で日本人初のK-1世界チャンピオンになり、2008年に2度目の王座を獲得。翌2009年12月31日の試合を最後に引退した。その後は格闘技だけでなく幅広いジャンルで活躍。2021年の3月には『魔裟斗チャンネル』と、武蔵との『ムサマサ!』を開設した。

「美しすぎるボクサー」伊藤沙月

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