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米識者6人が井上尚弥の圧勝を予想も
WBSS決勝で気をつけるべきこと (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Yamaguchi Hiroaki/AFLO

Q1 井上はドネアとの試合をどう戦うべきか。

フィッシャー ドネアは型にはまらない"フリースタイル"で戦い、タイミングを見計らってカウンターを狙ってくる選手。そんな相手の戦い方に惑わされないために、井上は基本に忠実にジャブを突いていくべきだ。階級の上げ下げを繰り返してきたドネアの体を弱らせるために、早い段階からボディを叩いておくのもいい。

 ジャブ、ボディ打ちを交えながら出入りし、ガードを下げず、ドネアの射程圏内に立たないことがカギになる。 誇り高く、打たれ強く、精神面でのコンディションも整ったドネアは危険な相手だから、慎重に崩していくのが得策。KOを狙いすぎず、自分のボクシングに徹することが重要になるだろう。

プグマイヤー 井上のパワーが試合を支配するだろう。どれだけラウンドが必要かはわからないが、ドネアが最後までそのパワーをやりすごせるとは思えない。より若く、パワフルな井上が主導権を握り続けるに違いない。

ヘルナンデス 井上は「パウンド・フォー・パウンド(全階級を通じての最強選手)」でもトップレベルの選手。ドネアにチャンスがあるとは考えていない。井上にはパワーがあり、優れたジャブを持っていて、戦い方を知っている選手。すべてを兼ね備えているすばらしいファイターだ。油断さえなければ、特別なことをやる必要もない。一方的にドネアを打ちのめし、見ているほうが居心地の悪さを感じるくらいのファイトになるかもしれない。

オッペンハイム 井上は自分らしく戦えばいい。ドネアにプレッシャーをかけ、相手のパンチはパーリングで叩き落とし、タイミングを計りながらボディ、顔面にパンチを打ち込んでいく。1回、2回に倒しきれなかったとしても、コンビネーションで序盤にダメージを与えられるはずだ。井上のパワーと的確さをやりすごした選手には、まだお目にかかっていないからね。

ナム 井上はジャブをうまく使い、ドネアを守勢に回らせることが重要だ。その際には右のガードをしっかり上げ、ドネアが得意とする左フックに気をつけることも忘れてはいけない。井上が出入りしながら強烈な右を決め、ドネアに反撃を許さない姿が想像できる。パワーではなく、スピードが今戦での最大の武器になるだろう。

サンガリア 井上の長所のひとつは、ボディ打ちがうまいこと。過去にドネアに勝利を収めた選手の多くは、ボディを効果的に攻めていたため、そこが攻防のポイントになるだろう。また、ドネアが得意とする左フック対策も重要。2016年にドネアに勝利したジェシー・マグダレノ(アメリカ)と同じように、左フックが出せないように距離をとれば、井上は戦いやすくなる。ドネアが危険なのは最初の3ラウンドほどで、長引けば長引くほど井上が優位になると思う。

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