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村田諒太らチャンプが輩出。
京都廣学館ボクシング部が育む「拳の哲学」 (6ページ目)

  • 内田暁●取材・文・撮影 text by Uchida Akatsuki

 朴訥な口調でポツリポツリと語る細身の青年は、ボクシングでの夢や目標を語るとき、その眼光が途端に鋭くなる。

「とりあえず全国で優勝したいです。卒業後にプロになりたい。高校に入ったときから、やるんやったら狙うのはテッペンと思っていた。負けてプロになるのはダサいから、優勝して目立ってプロに転向したいです」

 今の部員は目標がない......そんな歯がゆさも抱くエースは、「やっぱり夢がなかったら......ただやっているだけになるから。自分が主将になったら、そのへんはみんな、目標を作っていってほしい」と未来の青写真を抱く。

 ボクシング部の生徒たちには、教育者として何を求めているのか――。その問いに西嶋先生は、迷うことなく即答する。

「僕もそうだし、実は武元先生も、生徒たちをプロに行かせたいという思いはなかった。武元先生は、プロに興味はなかったんです。村田や山中がプロで成功したので、周りが意識を持つようになりましたが、僕らがいるのは教育の場ですから。生徒には、大学に行ってボクシングを続けたい、という気持ちを持ってもらいたい。そして、その後に社会に出て、ボクシングを通してそれぞれの分野で活躍してほしいというのが一番です」

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