【国際プロレス伝】アントニオ猪木が
一度だけアニマル浜口を褒めたこと
【第10回】アニマル浜口が語る「国際プロレスとはなんだ?」
ラッシャー木村をリーダーとする国際軍団と、アントニオ猪木率いる巨大帝国・新日本プロレスとの抗争は1年以上にも及んだ。軍団の切り込み隊長・アニマル浜口を突き動かしていた原動力は、「新日にナメられちゃいけない」という想いだったという。そして、敵の総大将・アントニオ猪木は、そんなアニマル浜口をずっと見ていた。
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アニマル浜口はアントニオ猪木から「眼の力」の重要さを教わった国際プロレスのエース・ラッシャー木村(5)
国際軍団と新日本プロレスの抗争は、その後ますます激化した。先鋭化した切り込み隊長・アニマル浜口が「俺たちは正々堂々と戦いたい! 国際プロレスの灯(ともしび)は絶対に消さない!」と叫んだのに対し、アントニオ猪木が「3人まとめて来い! 国際の灯なんか全部消してやる!」と応酬したことをキッカケに、「猪木vs.木村・寺西勇・浜口」の1対3変則タッグマッチ――国際軍団にとっては、これ以上ない屈辱的な試合が執り行なわれることとなった。
ルールは時間無制限。通常のタッグマッチと同様に、選手交代は可。猪木はひとりずつ3本取らなければ勝ちとならず、国際軍団は誰かひとりが猪木から1本取れば勝ち。
1982年11月4日、蔵前国技館で行なわれた試合は、寺西が腕ひしぎ逆十字でギブアップ、浜口もピンフォールを奪われたが、最後に木村が猪木をリングアウトに追い込み国際軍団が勝利した。翌1983年2月7日も同じく蔵前国技館で1対3の変則タッグマッチが行なわれ、木村、寺西が敗れた後、猪木が浜口を場外フェンスの外に出してしまい、当時の新日本ルール「フェンスアウト」により浜口の反則勝ちで国際軍団の2連勝となった。
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