eスポーツはネット視聴主流。各局Pに聞いた「テレビの役割って何?」 (2ページ目)

  • text by Sportiva

「テレビ東京では卓球を放送しているんですが、かつてはマイナースポーツと言われたものが、盛り上がりを見せ始め、今ではTリーグができて、大きな大会では卓球の決勝戦を各局が奪い合うところまで来ています。その観点で言うと、競技のルールを含めた見方を解説し、多くの視聴者に競技の魅力を伝えるのはテレビの果たす役割だし、すごく大事なことだと思います。

 どんなスポーツでも自分でプレーをすれば、人のプレーを見ていても面白さがわかりますよね。でも野球やサッカー、テニスなどをプレーしたことがない人でも、テレビを見ることによってルールがわかってくるし、面白さもわかってきます。それと同じで、eスポーツもやったことがない人に面白さをわかってもらうようにする。それがeスポーツを文化にするために大切なことだと考えています」(テレビ東京『有吉ぃぃeeeee!』平山大吾プロデューサー)

「eスポーツ大会の試合の模様をリアルタイムで観戦することに強いネット配信と比べて、テレビ番組の良さは、大会に参加した選手の思いや大会に向けた必死の練習を丁寧に取材し、人の心を揺さぶるようなストーリー性のあるコンテンツに編集し、それをeスポーツファン層以外にも届けられることです。我々がプロチームや大会を運営しながらテレビ番組も持っていることの最大の強みだと思っています」(日本テレビ『eGG』小林大祐プロデューサー)

 既存のスポーツの発展の流れと同じように、eスポーツでもファンのすそ野を広げていく。それがeスポーツにおけるテレビの役割の一つということで一致している。テレビ離れが進んでいる若者たちの視聴拡大を狙いつつも、既存の視聴者に向けてしっかりと丁寧に伝えていくことでリピーターも増やしていく。番組作りのノウハウがあり、豊富なネットワークを持つテレビ局であれば、難しいことではないはずだ。

 では今後テレビ局としてどのようなビジョンを持って、eスポーツ番組や関連した活動を行なおうとしているのだろうか。日本テレビの小林氏はこう語る。

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