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【男子バレー】ロス五輪出場を決めた日本の強さとは アジア選手権で深まった「信頼」と「連係」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 特筆すべきは、攻撃に特化したオポジットの西田でさえ、「スパイクさえ決めればいい」とディフェンスを放棄していない点だろう。たとえば韓国戦、彼のディグの本数はチームトップだった。日本がお家芸とするブロックディフェンスを強固にするため、積極的にディフェンスに参加していた。これは海外のオポジットと一線を画す点だ。

 連係の大事さの論理で言えば、敵を分断することは自ずと勝機につながる。

「相手のエースにスパイクを打たせたくなかったので、そのシチュエーションを作るためにいろんなサーブを打ちました」

 深津は韓国戦後にそう語っていたが、セッターとして連係の回路を誰よりも心得ている。

「今シーズン、VNL(ネーションズリーグ)で日本が強い時は『誰がどこに打ってくるかわからない』という状況になっていました。アジア選手権でもそうやって、状態がいい選手に打ってもらって......。自分としては、どんな状況でもスパイカーが打ちやすいトスを上げるだけですね」

 今大会の総得点は、髙橋がチーム最多96点だったが、西田も77点、石川も71点とそれを追い、ミドルの小野寺、ラリーも30点以上を決めた。途中から出場した大塚、富田、宮浦、西本、山内も要所で存在感があった。ひとりの選手に依存しない、多彩な攻撃を実現。ちなみに決勝ラウンドの各試合の最多得点者は、インド戦は髙橋、韓国戦は石川、イラン戦は西田と日替わりだった。

 パスがつながって、得点が決まるシーンはカタルシスがあった。想いをつないだプレーの集積と言えるだろうか。イラン戦のチャンピオンシップポイントで石川が二度続けて深津からトスを託され、その合間には山本の神がかったディグもあって、最後はねじ込むような一撃を決めた。それは実に日本らしい、絆を感じさせるフィナーレだった。

 次は、ロス五輪で祝う宴のための準備となる。

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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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