【男子バレー】髙橋藍の「ド派手」なプレーの傍らで......ミドルブロッカー小野寺太志の多岐にわたるサポート (3ページ目)
【ミドルブロッカーとしての責務】
悔しい表情といえば、同じ第3セットの終盤にもあった。オーストラリアが驚異的な粘りでつないだあと、日本にとってチャンスボールが巡ってきた場面。セッターの深津英臣(ウルフドッグス名古屋)は小野寺へのクイックを選択したが、そのボールはコート内に収まらず失点となる。着地と同時に、小野寺は天を仰いだ。
「ややトスが低かったり、コースを狙いすぎた部分もありましたが、ミスではなく得点につなげられるようにすべきプレーでした。あそこでうまく対応するのが僕の持ち味だと考えていますし、ああいうシーンでもうまく決められるようにしたいです」
日本の戦いは、ここから決勝トーナメントへと移る。負ければ終わりの一発勝負、さらに2028年ロサンゼルス五輪の切符を獲得するために、今大会で必要なのは優勝だけだ。
決勝トーナメントでいかなる相手に当たろうとも、ひとつのミスが勝敗を左右しかねないのは、このレベルになれば言うまでもない。だからこそ小野寺は、自身の課題とミスに対してグッと噛み締めるように言葉を発していた。
「対戦相手は(オーストラリア戦終了時点で)確定していない状態ですが、僕らとしては1試合ずつ勝つだけですし、1点ずつ積み重ねて有利な展開を作っていくだけ。僕たちのやるべき準備をしっかりと全員でやっていきたいと考えています」
状況に応じたブロックを繰り出す。確実にアタックで仕留める。それだけではない。丁寧に2本目のパスを上げて味方の得点をアシストする。拾えるボールに対応してチャンスを作る──。
コート上でやれることは、実にたくさんだ。そこに決して派手さはなくとも、小野寺はミドルブロッカーとして、自身の務めを遂行し続ける。
著者プロフィール
坂口功将 (さかぐち・こうすけ)
1988年生まれ。兵庫県出身。関西学院大学時代に「スポーツを
取材する」ことの虜になり、不動産会社を経て2016年春から日 本文化出版(株)「月刊バレーボール」編集部で勤務。 2023年末に独立し、バレーボールを中心に取材・ 執筆活動を行なう。小学生から大学生、国内外のクラブリーグにナシ ョナルチームと幅広いカテゴリーを扱うほか、 バレーボール関連の配信番組への出演やイタリア・セリエAの解説 も務める。
【写真】男子バレー アジア選手権 フォトギャラリー
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