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【男子バレー】アジア選手権準々決勝へ チーム最多得点の西田有志が語る「自分たちがどうするのか」

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

「自分たちは自分たちの戦い方を......」

 西田有志(26歳)は、その決意で今回のアジア選手権に挑んでいる。優勝=ロサンゼルス五輪出場権獲得となる大会に対して、彼らしいスタンスだろう。それは相手の戦いを無視するということではない。"試合に適応しながら、相手や状況に流されない"という流儀か。

 表現はありふれているが、それは彼の人生を通じた作法だけに、言葉以上の意味を持っている――。

オーストラリア戦でチーム最多の16得点を決めた西田有志 photo by Yuji Taguchiオーストラリア戦でチーム最多の16得点を決めた西田有志 photo by Yuji Taguchi 予選ラウンド3連勝で日本の準々決勝進出が決まったなか、あらためて西田がどのように予選ラウンドを戦ったのか。心の持ちようを訊いたことがあったが、その答えは象徴的だった。

――予選はランキングでかなり下位のチームとの対戦になりますが、どんなメンタルで臨んでいるのでしょう。「油断しない」か「叩き潰す」か?

 西田は、視線を合わせてこう答えた。

「(相手は)奇想天外というか、難しいところはあります。ただ、対戦相手で変わってくるところはあると思うんですが、大もとのようなものは変わらない。自分たちの戦いにフォーカスし、そこに磨きをかけられるか」

 開幕戦のオマーン戦、西田は第3セットまでは髙橋藍や石川祐希とともに得点を重ね、14得点を記録していた。右陣地から出る左腕の大砲感があった。だが4セット目、序盤で着地のアクシデントがあり、足を痛めて交代した。状態が心配されたが、誰よりも自身の肉体と向き合ってきた男の回復力は際立っており、無理もきくのだろう。

 続くバーレーン戦は先発で出場し、第2セットまでで7得点を記録。最後はサーブがアウトの判定になってベンチに下がったが、1ミリ外側だった。西田本人が「(筋は)見えてきている」と語ったように、こうした1本が入ると一気に突っ走りそうな気配が漂っていた。

 そしてオーストラリア戦。第3セットに入ってチームの勢いがやや停滞するなか、西田は4-4と同点の状況で逆転につながるサービスエースを決めた。ブレ球で相手レシーバーをひざまずかせた。

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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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