【男子バレー】アジア選手権準々決勝へ チーム最多得点の西田有志が語る「自分たちがどうするのか」 (3ページ目)
その探究心こそ、西田を丸ごと覆う要素だろう。いつだって彼だけの答えがあり、それを裏切らない。たとえば県内トップではない高校を選んだのも、強者を倒す喜びを感じたからだった。問いが浮かべば、それに向き合う。自分のもとになる生き方を大事にできているか。自身の行動に忠実であることが彼の哲学で、そのパーソナリティを形作っているのだ。
アジア選手権の西田が、爆発的なエネルギーを感じさせるのに、不思議と気負いがない理由は、自然体だからだ。オーストラリア戦はチーム最多の16得点だった。ピークは合いつつある。
そこで取材の終わりに訊いた。
――西田選手は「自分のもとになる生き方を大事にできたか」を自分に問いかけてきましたが、五輪切符がかかる決勝トーナメントに向け、その真価が問われることになりそうですね。
「半年間、その結果(五輪出場)を求めて戦い続けてきたんで、"ここで"というよりも、半年間どれだけやってきたか、ですかね。自分がどんなコンディションであれ、やり続けることはしてきました。なので、あとは結果が勝手についてくるかなと思って」
西田は古(いにしえ)の豪傑のように、不敵に笑った。勝ち筋は見えている。それをトレースするだけだ。
「(決勝トーナメントは)相手のブロックがよくなる、展開が速くなる、サーブのクオリティが上がる、とかはあると思います。けど、それは対相手のことで、自分たちの問題ではない。"自分たちがどうするのか"を持っていれば、常に有利に立てる。どんな状況になっても、逆転する兆しは出るはずなので」
西田の言う「自分」には気骨がある。
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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