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【男子バレー】アジア選手権準々決勝へ チーム最多得点の西田有志が語る「自分たちがどうするのか」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

【計算で導き出された"勝ち筋"】

「サーブも徐々にハマってきました。準々決勝からは、よりいい形になってくると思います。いい感じのピーキングで、よくなりそうな体のフィーリングもありますね。ネガティブになるポイントはいくらでもあると思うんですが、それをポジティブに変換することが大事かなと」

 西田は戦いに対してたくましさを見せる。野生動物のような雄叫びを上げ、本能的な衝動に突き動かされているようにも映る。しかし、実は帰納的な計算で導き出された"勝ち筋"をトレースしているのだ。

 それは彼自身の人生の投影と言えるかもしれない。

 たとえば昨シーズンのSVリーグでの、チャンピオンシップで優勝するための徹底したピーキングもそのひとつだった。決戦の舞台のために、西田は焦らずに割りきって、最高のパフォーマンスを用意していた。ファイナルでの彼のサーブは鬼気迫るものがあった。

 彼の言う「自分」は筋金入りである。

 西田は、少年時代から西田だった。彼だけの感性と律動で生きていた。それは尖っていたとか、異彩を放っていたというよりも、好奇心だったか。発見にワクワクすると、止まらなかった。高い跳躍力に憧れを持つと、マサイ族の戦士が超人的ジャンプをする姿を見て、「裸足で走っていれば、こうなれる!」と確信し、自ら実行した。

「外を裸足で走っていましたね。『マサイやアフリカの人は裸足だから強いんや!』って」

 西田はそう言って、当時の自分を懐かしんで顔を綻ばせた。

「でも、裸足で走ると痛いんですよ。ジャンプ力も『上がるわけないやん』って(笑)。当然なんですけど、自分なりに実験をして、『これは違うから、ここは省こう』という作業で質を上げてきた人生というか......」

 仮説を立て、実証する。その繰り返しが膨大なデータとなって、帰納法で出した選択が、彼に個性を与えた。同時に、周りに流されず、実行する意志の強固さもあった。

「『これいいじゃん!』って思うと、すぐ取り入れました。猫やカエルの飛び方も研究しましたね。単純にバネがあるとかじゃなく、どうやって骨盤を使って後脚を伸ばしているのか。俺ら人間の足を当てはめて、『こうやって飛べば』って。猫は丸くなるイメージですが、跳ぶ前に背筋を真っ直ぐにしてから跳ぶんです。人間も真っ直ぐからケツを引いて、もも裏を使って......」

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