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【女子バレー】35歳・栄絵里香、日本代表で初の大舞台へ アジア選手権で「オリンピックの切符を取る」 (3ページ目)

  • 田中夕子●取材・文 text by Yuko Tanaka

【久光をリーグ制覇に導いたトスの変化】

 だが栄は現役を続け、シーズンを重ねるごとに安定感を増していく。久光で確かな変化を感じたのは、SVリーグを制した昨シーズンのプレーを見た時だ。以前は試合の中盤以降やラリーが続いた場面で、レフト側へのトスが低くなっていたのが、高さをキープできていたのだ。それを若いアタッカーたちが、クロス、ストレートと高い打点から好きなように打ち分けていた。

 積み重ねてきた技術練習の成果はもちろんだが、何がきっかけでそこまで変わったのか。尋ねると、栄は笑いながら言った。

「今の若い子たちって、トスに対しても遠慮なく言ってくるんですよ。『絵里香さん、もうちょっと上げてください』なんて全然いいほうで、練習の時も普通に『低い!』とか言われる(笑)。ムカっとすることもありますけど、言ってもらえるのはありがたいこと。私も成長させてもらっているんです」

 年齢や経験にひるむことなく、栄だから言える――。そう話すのは、昨シーズンの久光の優勝に貢献し、栄とともにアジア選手権に出場する北窓絢音だ。

「絵里香さんは修正力がすごく高いので、こっちの打ち方で『トスが低かった』というのもわかってくれる。私が『低いです』と言った時も『そうだよね』と受け入れてくれるんです。だからアタッカー側はすごく言いやすいし、(昨シーズンに)あれだけやれたのは絵里香さんのおかげでもあると思っています」

 これまで積み上げてきた経験に、また新たな経験が重なり、厚みを増していく。勝つ喜びだけでなく、負ける悔しさも何度も味わってきたが、ネーションズリーグでの敗戦は、
また違った新たな刺激と、次へと向かう活力になった。

「今シーズンの一番の目標は、アジア選手権でオリンピックの切符を取ること。でも、ネーションズリーグでメダルを獲ることも目標ではあったので、そこに届かなかった(準々決勝で敗退)ことで個人的に足りないことがたくさんあったと気づかされました。コンビの精度を上げて、もっとこの攻撃の決定率を上げたい、この攻撃を使いたいとか、スタッフからも提示されるなかでいろんなことが見えてきました。

 ここからは、どれだけ自信を持って試合に臨むことができるかどうかだと思います。世界と戦うにはもう一段階上げていかなきゃいけない、と私も含めてみんなが感じたので、次勝つためにどうするか。それぞれがチャレンジしながら、これからもトライし続けていきたいです」

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