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【女子バレー】35歳・栄絵里香、日本代表で初の大舞台へ アジア選手権で「オリンピックの切符を取る」 (2ページ目)

  • 田中夕子●取材・文 text by Yuko Tanaka

【高校時代にVリーグのチームも撃破】

 経験が武器となるセッターというポジションで、30代半ばにして日本代表にたどり着いた。所属するSAGA久光スプリングスでは主将を務め、若い選手が増えるなか、頼れるベテランとして存在感を発揮している。ただ、栄がこれまで歩んできた道のりをたどれば、決して大げさではなく、今の年齢になるまで現役を続け、しかも日本代表に選ばれるなど想像すらできなかった。

 なぜなら、彼女は"遅咲き"ではなく、むしろその逆。"早咲き"のエリートだったからだ。

 初めて栄のことを取材したのは、彼女が東九州龍谷高校1年生の時だ。赤と白のユニフォームで、速いトスからのコンビバレーを武器とするチームでは、セッターはまさに生命線。栄は寸分違わぬタイミングとスピードで機械のようにトスを上げ続け、春高バレーを制した。

 さらに3年時には、高校生だけでなくVリーグチームを含めたすべてのカテゴリーが出場して日本一を争う皇后杯で、NEC(現・NECレッドロケッツ川崎)、パイオニアといった格上のチームを撃破し、準決勝進出を果たした。

 準決勝では久光製薬(現・SAGA久光)に敗れ、のちにVリーグでもチームメイトとしてプレーしたエースの長岡望悠と涙を流した。試合後、負けた悔しさよりもそこまで戦いきれた感謝や喜びを語り、ポツリと発した言葉を今でも覚えている。

「神様が、この舞台に立たせてくれたのかな、と思います」

 高校バレー界を席巻したセッターが、この先どんな道を歩むのか。期待は膨らんだ。

 速いトスを得意とする栄は、高校卒業後の2010年にデンソーに入団し、2015年に久光に移籍。ラリー中や少し離れた位置からもミドルを使い、ライト側を得意とするトスワークは強みである一方、レフト側へのトスは苦手で、なかなか出場機会を得られない時期も続いた。「もしかしたらこのまま辞めてしまうのではないか」と思うことが何度もあった。

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