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【男子バレー】西田有志が語る勝負哲学 強豪サントリーとの決勝も「ブルテオンとして、西田として戦うだけ」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

【「胸を張って戦いたい」】

――"バレーを生きている"という表現が似つかわしいですね。

 今シーズンの開幕前のインタビューで西田に話を向けると、彼はこう答えていた。

「バレーしかしていないです(笑)。それが自分の一日で、すべての時間を注ぎ込みますね。最近は24時間だと足りない。練習が始まる1時間半から2時間前に体育館へ来て、ランニングとかアップを始めて準備運動をするんですが、これが"練習を100%でするための1時間半"。チーム練習では重心管理、ジャンプの仕方とか、練習から100%で入れるようにしています。100%で練習することが、100%で試合をすることに結びつくし、100%が出しやすくなる。リカバリーも含めたら10時間以上になります。家でも、空気圧迫(マッサージ)や水素(吸入)を1時間以上かけて、最後に体を動かしながら自分と向き合って終わるメニューですね」

 西田はまさにバレーを生きることで、その境地に辿り着けた。

「(決勝で当たることになったサントリーサンバーズ大阪が)強いチームなのは変わりありません。昨シーズンも結果を残しているチーム、選手たちと言えるでしょう」

 彼は決勝に向け、超然と語っている。

「でも、自分たちも同じ人間なんで、特に考えることはありません。自分たちがやるべきことをやったら、結果につながるはず。相手の"サントリーが"とか、"(ドミトリー・)ムセルスキーが"とかではなく、ブルテオンとして、西田として戦うだけですね。戦っている比較対象どうこうじゃなく、自分たちが胸を張って戦いたいと思っています」

 何も語っていないようにも、すべての真理を語っているようにも思える。技術の開発、改善、修正は日々行なっているはずで、それは途方もない量になるだろう。だから今さら、何かをやったら勝てるとか、相手のどこが弱点かとか、短絡的な結論には結びつけないのだろう。合理的な考察と検証を重ねているからこそ、説明する言葉は哲学性を帯びる。

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