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【男子バレー】正真正銘のワールドクラス、ブリザールが日本でのプレーを選択した理由 (3ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Yoichi Igawa

【「うわべだけでは知ることのできないこの国を理解するために」】

 少しずつ笑顔をこぼし始めたブリザールには、渡日前から日本に関する予備知識があったようだ。

「フランス代表の活動で日本を何度か訪れていたから、確かにそうなんだけど、あくまで予備知識だね。知っているようで、実は何も知らない。そんな感じだったから、実際に住んでみたいと思ったんだ。

 それにあるいはあなたは知っているかもしれないけど、今のヨーロッパ、特にフランスでは、日本が大人気なんだ。日本の伝統や文化、ポップカルチャーが広く伝わり、実に多くの人々がこの国に興味を抱いているし、訪れてみたいと思っている。

 妻も僕もそうだったから、最高の機会だと喜んだ。代表の活動や旅行で訪れたりするだけでは、わからないことも多いから、実際の日本を肌身に感じたかったんだ。完璧な国なんて存在しない。フランスにも、すばらしいところとそうでないところがある。だからきっと日本もそうで、うわべだけでは知ることのできないこの国を理解するために、移籍をすぐさま決断したんだ」

(つづく)

アントワーヌ・ブリザール Antoine Brizard
1994年5月22日生まれ、フランス・サン=ジャン=ド=リュズ出身。2021年にフランス代表の正セッターとして、東京五輪を制してフランス男子初の金メダルを手にした。以後、2022年と2024年ネーションズリーグ(大会MVPとベストセッター)を連覇し、パリ大会で五輪も連覇し(大会ベストセッター)、フランス黄金時代を築いた一員に。クラブレベルでは、パリ・バレー(フランス)、スペシアズ・ドゥ・トゥルーズ(フランス)、プロジェクト・ワルシャワ(ポーランド)、ピアチェンツァ(イタリア)でタイトルを獲得。2025年6月に大阪ブルテオンに入団し、自身初の日本での生活を始めた。

著者プロフィール

  • 井川洋一

    井川洋一 (いがわ・よういち)

    スポーツライター、編集者、翻訳者、コーディネーター。学生時代にニューヨークで写真を学び、現地の情報誌でキャリアを歩み始める。帰国後、『サッカーダイジェスト』で記者兼編集者を務める間に英『PA Sport』通信から誘われ、香港へ転職。『UEFA.com日本語版』の編集責任者を7年間務めた。欧州や南米、アフリカなど世界中に幅広いネットワークを持ち、現在は様々なメディアに寄稿する。1978年、福岡県生まれ。

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