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【男子バレー】後藤陸翔は半年前の号泣を経てさらなる高みを目指す 対戦して印象に残った強豪国とは? (2ページ目)

  • 市川忍●取材・文 text by Ichikawa Shinobu

【「手応えを感じています」】

「僕たちは"速いバレーボール"をコンセプトとして戦っていますが、試合やセットの終盤になると、トスが上がる選手って相手もわかるじゃないですか。ブロックが2枚、3枚来るのが当たり前なので、そこでどうやってスパイクを決めていこうかと考えたときに、ブロックより0コンマ何秒でも早く打ちたい。もちろんスパイクがしっかり打てる範囲ではありますけど、そうやってもっと決定率や効果率を上げていく必要性があるかなと」

 もうひとつ、後藤が心がけたというフィジカル面の強化は、見た目にも着実に表われている。トレーニングの成果で、体重は昨シーズンに比べて4キロ増えた。チームの栄養士、トレーナーの指導のもと、毎日、筋量や水分量などの数字をチェックして増やしたという。

「もうちょっと増やしてみた時期もあったんですけど、プレーして『身体が重いな』と感じたので、そう感じない程度に維持しています。今が今シーズンのベストではないかなと思っています。トレーニングの成果でジャンプ力はもちろん、スパイクの際に早く到達点まで上がれるようになった。手応えを感じています」

 目標設定をする上で刺激を受けたのが、日本代表での活動時に見た諸外国のチームだった。

 後藤は今年、初めて日本代表に選ばれ、VNL2025のメンバーにも登録された。

「いちばん印象に残っているのは、フランスです。これまで映像で試合を見ていた印象では、日本にとても近いスタイルで、テクニカルなバレーボールをする国だなと。でも実際に近くで(トレボール・)クレブノ選手を生で見たときは、想像以上で驚きました。すべてのプレーのクオリティーが高くて。やっぱりすごいなあ、と。他の選手ももちろんうまいんですけど、彼は突出していますよね」

 クレブノは東京オリンピックで金メダルを獲得し、今年のVNLではベストアウトサイドヒッターにも輝いた選手だ。

「とにかくミスが少ない。こういうシチュエーションでは無理をしないで、こういったプレーをするんだなとか、参考になるプレーが多かったです。やっぱりフランス代表はオリンピックで、2大会連続でチャンピオンになっているだけあって、勝ち方を知っている。無理をしなくていい場面では、無理しない。すごく熱そうに見えて冷静なんだなと」

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