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【男子バレー】石川祐希は世界バレーに向けて日本代表を厳しく評価 「自分たちはまだ強くない」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【世界バレーで目標の表彰台へ】

 石川はじわじわと調子を上げている。世界最高峰セリエAで激しいシーズンを戦ったあと、休養しながら再び体を起こし、臨戦態勢になるのは簡単ではない。ネーションズリーグは右肩の痛みを押してのプレーだった。

 しかし、彼は己を知っている。徐々に出場時間を増やし、自分のテンポで調子を上げつつある。すべてを背負う、すべてを託される、という瞬間は否応なく訪れる。

 9月7日のイタリアとの2戦目は、セットカウント1-3で敗れている。4セット目の32-34という激闘はスペクタクルだったが、一時は19-15とリードしながら最後は勝利を逃した。

「こういう試合を取り切らないと、目標とする表彰台は難しい」

 試合後、20得点を記録した石川は再びチームを叱咤するように言った。欧州王者になった男の言葉は重く、厳しい。ただ、それはいつだって何かを勝ち取るための戒めだ。

 9月12日、世界バレーはフィリピンのマニラで開幕する。13日、日本は世界ランキング15位のトルコと相まみえる。その後はカナダ(15日)、リビア(17日)と予選ラウンドを戦い、その先を目指す。

(ほかの記事を読む:台頭する日本代表の次世代、西山大翔と甲斐優斗が世界バレー前哨戦で大暴れ>>)


著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

【写真】バレーボールネーションズリーグ男子フォトギャラリー

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