【男子バレー】なぜ水町泰杜はインドアとビーチの「二刀流」に挑むのか 先駆者としての決意を語った (2ページ目)
いざ大会初戦、水町がサーブのモーションに入ると、アップゾーンから染野が手拍子を交えて「バーモース!!」と掛け声を放った。「バモス(スペイン語で『いくぞ』)」とは、水町が所属するウルフドッグス名古屋でお馴染みのコール。染野は「対戦した時に、その声援を浴びた(水町)泰杜にサービスエースを奪われた印象が強くて」と振り返った。
さらに第2セットには、「バモス」に続けて「ボンバイエ!!(リンガラ語で『やっちまえ』)」を追加。これには水町も「ちょうどトスの、ボールを下から放り投げるタイミングで耳に入ったんです。それで『もう無理(笑)。強気で打ったらネットにかかる』となってしまって、なんとかサーブを入れにいきました」と苦笑。それを聞いた染野は、「人のせいにして!! 情けないやつです(笑)」と応戦した。
【二刀流で大会に挑むまでの経緯と決意】
水町がバレーボール競技、つまりインドアでプレーできたのは予選ラウンドの2試合だけだった。当初は3試合が予定されていたが、同組のイランが辞退したことで変更に。「もっとやりたかったな」とは水町の偽らざる本音であり、同時に「インドアも最後まで戦えたらよかったですけどね。でも、それは最初からわかっていたことなので、区切りをつけました」と向き合っていた。
そんな悩みも、ひとつの大会で同時に2つの競技に参加する"二刀流"ゆえだ。インドアは現地時間7月18、19日の予選ラウンドを戦い、21日からはビーチバレーボール競技に臨む。前例のない試みであり、本人も当初は想定していなかった。だが、今年のビーチバレーボール活動の一つにWUGを視野に入れた際、インドアでも参加する話が持ち上がった。水町は振り返る。
「シニアの日本代表(インドア)にも登録されたとはいえ、代表活動はやらない意向でした。それだけに、ユニバ(WUG)だけインドアをやるのはどうなのかと思いましたし、そもそもルール的に問題はないのか、自分が入ることで登録メンバーの枠が埋まってしまうのはいいのか、といったさまざまな懸念がありました。
ただ、前提として僕は、ビーチバレーボール競技でユニバに参加したかった。そのうえで挑戦できるのであれば、インドアも出場できればうれしい、と伝えました。あとは、インドアは選考に委ねて、もし選外だったらビーチバレー1本で大会に臨もうと」
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