ビーチバレー界期待の新星「のあめい」がトップツアーで奮闘 「世界」を見据える若きふたりの可能性 (2ページ目)
そのふたりが強打を中心に仕掛けてくる攻撃に対して、宇都木&森ペアは第1セット序盤から劣勢を強いられていた。だが、ふたりは高校を卒業したばかりとは思えないほど、落ちついた試合運びを披露。敵のプレーを冷静に見極め、「相手のトスがネットから離れるので、(森)愛唯だけのブロックではなく、自分も跳んで相手と駆け引きしたほうがいい」(宇都木)と判断すると、高さのある森がネットについて跳ぶブロッカー、宇都木が後ろに構えるディフェンダーを務める本来の「ワンブロック」システムを、ふたりがブロッカーとディフェンダーを交互に行なう「ツーブロック」に変更して対応した。
そうして、次第に挽回して同点に追いつくと、レシーブしたボールをそのまま打つ森の「ツーアタック」や、ツーアタックと見せかけて相手ブロッカーを引きつけ、トスを上げる「ジャンプセット」など、難度の高いプレーも繰り出して逆転。終盤に入ってから再び相手にリードを奪われてしまうが、最後まで落ちついて対応し、宇都木&森ペアが粘り勝ち。26-24で第1セットを奪取した。
これで勢いに乗ったルーキーペアは、森のサーブで押し込んで相手のミスを誘う。藤井&オトペアも宇都木にボールを集めて反撃の機会をうかがうが、宇都木&森ペアはそれにも動じず、強打を打ち込んで対抗。終始主導権を握って21-18で第2セットも奪い、セットカウント2-0で勝利を飾った。
グランフロント大阪大会で奮闘した「のあめい」この記事に関連する写真を見る 大会2日目は、本戦1回戦。対戦相手は、中川知香(29歳)&坂本実優(33歳)ペアだった。高さや力強いショットこそないが、早いテンポで攻撃を仕掛け、ボールを前後左右に落としてくる技巧派のチームだ。
前日の雨も止んで天候は回復していたが、コート上は風速3~5m/sの風が吹いていた。大阪駅前の高層ビル群に囲まれた特設コートは、時折強い風も吹き抜ける。宇都木&森ペアにとっては、風への順応力も試される試合となった。
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