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【SVリーグ女子】初代女王の座に就くのは? 接戦のカギを握る若きヒロイン候補たち (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【カギを握るのは若い力?】

 一方、マーヴェラスはレギュラーシーズンに4度レッドロケッツと対戦したが、負けたのは、その一戦だけ。その後は3連勝で実力を見せつけた。マーヴェラスは全体でも1位で37勝7敗、2位のレッドロケッツは30勝14敗。下馬評では「最強」だ。

 パリ五輪日本代表の林琴奈は、攻守両面で活躍するオールラウンダーで、女子選手の間の人気も高い。ベルギー代表リセ・ファンヘッケは身長191cmのオポジットで、高さがセールスポイント。また、ミドルブロッカー、箕輪幸の195cmのクイックは迫力があり、アタック決定率は2位だ。

 そして、日本代表にも選出された宮部愛芽世のような伏兵もいる。佐藤と同じくプロ1年目を戦う23歳のサイドだが、ポテンシャルの高さは計り知れない。昨年はパリ五輪で、姉の藍梨が出場した戦いを現地観戦し、精神面も充実してきた。

「(2022年の世界選手権でも戦った)日本がブラジルを相手にどこまでできるか、観ておきたかったんですが......」

 宮部は言う。

「ブラジルは誰が出ても強かったです。自分が対戦した時に控えだった年下選手も出ていたんですが、『自分なんかが出ても......』なんて思っている選手はいないんだろうなって。当時は、"世界で戦う"という目標がかすんでいたんですが、パリであらためて強くなりました。『あそこで決めておけば』って思われるのがサイド。一番注目される責任感と覚悟は持っています」

 接戦を制するカギは、宮部のような若い力かもしれない。なぜなら、どんなスポーツでも短期決戦はそうであるように、"日替わりヒロイン"の登場が大きくものを言う。主力同士のぶつかり合いが勝利の条件であるのは間違いないが、プラスアルファが問われるのだ。

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