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【ハイキュー‼×SVリーグ】大阪マーヴェラス成瀬ももかは月島蛍の「75点のリード・ブロック」に共感 大事にする「1点の重み」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

「中学3年の全国大会決勝で、24-19点から逆転されてしまって。それからは『1点を取り切るまで油断しない』ということが全員に浸透しました。逆に高校3年時のインターハイでは、前年の春高で優勝した就実相手にあと1点まで追い詰められても、"まだいける"っていう謎の自信があった。『大丈夫』を合言葉に逆転勝ちしました。1点で負けることも勝つこともあるバレーってすごい、と毎回思います」

 成瀬はバレーの奥深さに魅入られた。だからこそ、我慢強く取り組むことができたのだ。

「基本、運動音痴なんです。子どもの頃から私を知る人からも、『スパイクを空振りして、ヘディングしていた人がよく育ってくれた』と言われます(笑)。アンダーパスなども前に飛ばなかったし......。でも、何回もやって身につけられました」

 彼女は楽しそうに言う。明朗闊達な不器用さ。それを武器に、SVリーグでも走り続ける。

「外国人選手の高さには敵わないので、連係のところを考えて、守りの戦略の中心になりたい。ミドルは真ん中で、守備の要にならないといけないですし、頭を使って挑みたいです!」

 中学2年からミドルブロッカーとしてプレーしてきた。頭を使ってチームを助けるのが理想だ。20歳の成瀬は、自身の可能性を信じている。

「日本代表としてパリ五輪も戦った林琴奈さんがチームメイトにいて、代表の"空気"のようなものも感じられるようになりました。そのレベルとはまだ差がありますが、中学、高校の時ほどの差はない。遠かったけど、少し近づいてきていると思います」

 成瀬はいつも一歩一歩、ひたひたと目標に近づいてきたのだ。

【成瀬ももかが語る『ハイキュー‼︎』の魅力】

――『ハイキュー‼︎』、作品の魅力は?

「リアルですね! バレーボーラーの心情がしっかりと描かれていて共感できます。プレー中に、あんなに考える時間はないですけど(笑)」

――共感、学んだことは?

「『このプレーをやってみたい』となる漫画です。月島(蛍)が『100点に繋がる75点がリード・ブロック』って言う場面は『その通りだな』となりました。白鳥沢学園の天童(覚)が天才的な感覚で120点のブロックで止めるのも格好いいけど、それは0点になるリスクもある。だから、ヤマを張らない75点のリード・ブロックというのは、『わかってるな』って思いました(笑)」

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